早朝から夕暮れまで神経を研ぎ澄ませ、一瞬を切り取ることに全てをかけるフォトグラファーたち。2024年シーズンも、ドラマが凝縮された数々の一枚がゴルフ界を彩った。GDOとともに国内外を渡り歩いたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第7回は…
早朝から夕暮れまで神経を研ぎ澄ませ、一瞬を切り取ることに全てをかけるフォトグラファーたち。2024年シーズンも、ドラマが凝縮された数々の一枚がゴルフ界を彩った。GDOとともに国内外を渡り歩いたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第7回は松本朝子カメラマン編。
<アース・モンダミンカップ 最終日 小祝さくら>
女子ツアー史上4度目の月曜決着となった6月の「アース・モンダミンカップ」。気温30℃超えの息苦しさや、雨による冷え、中断での待機時間。天気に翻弄され、選手はもちろんのこと、関係者も皆とにかく体調と集中力をキープすることが難しい5日間でした。
待機中はメディアセンターのモニターでコースの様子を見ていましたが、土砂降りの中、少しでも雨が弱まるとグリーンに溜まった水がスーっと引いていく…。まさかこの雨量でも試合が再開できるのか!? とやきもきする時間は、なんとも言えない辛さがありました。
最終日となった月曜日は気持ちの良い青空でしたが、とにかく暑い…。ゴルフは天候との戦いでもある中で、毎週この環境に対応している選手は本当にたくましいです。
2位に3打差をつけて優勝した小祝さくらプロは、このとき日米ツアー連続223試合目の出場。体調管理も仕事のうちとは言いますが、これがいかに驚異的な数字か、簡単には言葉にできません。“鉄人”というのは最大限の賛辞です。
<横浜ミナト チャンピオンシップ 3日目 ホールイワンチャレンジ>
「横浜ミナト チャンピオンシップ」では3日目にホールインワンチャレンジが催されました。立候補したギャラリーを選手が指名し、ペアを組んで挑戦します。
出場プロは個性豊かな選手ばかり。子どもへの話しかけ方がとても優しい選手、誰も気が付かないところをそっとフォローできる選手、その場全体を盛り上げられる笑顔と声量がある選手(笑)…。
こういったイベントでは選手の素の一面が見られることもあり、試合中とはまた違った雰囲気にも魅かれ、今後注目してみようかなと思えてくるものです。
男女それぞれのトーナメントでボランティアをしている方が、「最近、男子がすごく楽しくなってきた」とおっしゃっていました。ギャラリーを大切にし、ボランティアを大切にする。サインがもらえたり、目を合わせて言葉をかけてくれたり、意外な表情が見られたり。誰かのファンになるきっかけは様々あると思いますが、案外、些細なことなのかもしれません。
<宮里藍 サントリーレディスオープン 3日目 上田桃子>
2021年のベストショット3選では、同年に優勝した上田桃子さんを挙げさせていただきました。優勝シーンもスピーチもかっこいい女性だなぁーと思いながら、ドキドキうるうるして撮影したことを今でも覚えています。
仕事のキャリアというのは、本当に悩ましいものがあります。仕事の調子が良くても悪くても、結局、別の何かと天秤にかけ、腹をくくらなくてはいけない時期がくる。全てを同時進行で、全てを理想的に進めていくことは難しい。今の仕事を続けることも一度離れることも、どちらも同じくらい勇気がいる。
試合で上田さんの姿が見られなくなるのはものすごく寂しいですが、いつかまた、ゴルフをしている姿が見たいです。 21年「パナソニックオープンレディース」優勝以来、同じ女性として心の底から憧れ続けるのは、この先もずっと変わりません。