「全国高校ラグビー・2回戦、石見智翠館23-0尾道」(30日、花園ラグビー場) 2回戦16試合が行われ、ノーシードからの勝ち上がりを目指した尾道(広島)はAシードの石見智翠館(島根)に攻守で圧倒され、姿を消した。今春の選抜大会で準優勝を…
「全国高校ラグビー・2回戦、石見智翠館23-0尾道」(30日、花園ラグビー場)
2回戦16試合が行われ、ノーシードからの勝ち上がりを目指した尾道(広島)はAシードの石見智翠館(島根)に攻守で圧倒され、姿を消した。今春の選抜大会で準優勝を果たした強敵に対し、キックを多用するなど攻め込む場面もあったが、決定力を欠き点差を広げられ、2年連続で2回戦敗退となった。
終了間際の猛攻も得点につながらず、無情にもノーサイドのホイッスルが鳴り響いた。破れなかった厚い壁。それでも強敵に対し、最後まで食らいつく意地を見せた。田中春助監督(36)は「結果としては勝ちきれなかったが、挑み続けてくれた意思が見えた」と笑顔で選手をたたえた。
自慢の守備を生かすロースコアの展開を想定していた中で、明暗を分けたのは決定力の差だった。ゲームキャプテンを務めたフランカー藤原大稚(3年)は「エリアは僕たちの方が取れていて、ゴール前まではいけていた。でも、最後トライを取りきるところで差が出た」と悔しさをにじませ、試合後は大粒の涙をこぼした。
敗戦の中にも光があった。主将のフランカー上田恭悠(3年)が大会の約2週間前に足を負傷。初戦の名護戦ではベンチ外だったが、この日戦列に復帰。後半22分から出場し、大歓声を浴びた。「試合に出られるか、ぎりぎりのところで粘ってくれた。最後の最後で流れを変えてくれた」と藤原大。チーム一丸となって諦めずに戦い抜いた。
チームは、2年連続で2回戦敗退。この悔しさは花園でしか晴らすことはできない。「1年を通して感動を与えるラグビーができた。それは来年以降も通してやり続けてほしい。彼らならやってくれると思います」と藤原大。大舞台でのリベンジは後輩たち託された。