「全国高校ラグビー・2回戦、京都工学院15-7中部大春日丘」(30日、花園ラグビー場) 16試合が行われ、京都工学院がBシード校の中部大春日丘(愛知)を破り、来年1月1日に行われる3回戦へ進んだ、報徳学園(兵庫)もBシード校の目黒学院(東…

 「全国高校ラグビー・2回戦、京都工学院15-7中部大春日丘」(30日、花園ラグビー場)

 16試合が行われ、京都工学院がBシード校の中部大春日丘(愛知)を破り、来年1月1日に行われる3回戦へ進んだ、報徳学園(兵庫)もBシード校の目黒学院(東京第1)を破った。前回優勝の桐蔭学園(神奈川)、選抜大会を制した大阪桐蔭(大阪第1)石見智翠館(島根)のAシード勢、Bシードの常翔学園(大阪第3)などが3回戦に進んだ。Bシードで2大会ぶりの優勝を狙う東福岡も16強入り。能登半島地震の影響を受けた日本航空石川は、国学院久我山(東京第2)に敗れた。

 肉体の衝突音が鳴るごとに、1万人の観客からどよめきが起こった。京都工学院フィフティーンが魅せた魂の死闘。勝利の瞬間、聖地は興奮のるつぼと化した。

 前半は両軍無得点。ともに強烈なタックルを仕掛け合い、一進一退の展開で無得点に終わった。主導権を握ったのは4点を追う後半13分。モールで押し込んでフッカー川口士央(3年)が右中間に逆転トライを決めると、1点リードの後半22分にもモールから再び川口のトライで勝利をたぐり寄せた。「押し始めた時に、いけると確信しました」と川口。塊となって地面をかき、執念の逆転劇を果たした。

 1点リードの後半20分には相手にモールでゴールラインを割られながらも、「下に潜って止めようと思った」とプロップ加藤瑠絃(2年)がジャッカルに成功。値千金のトライセーブを遂げ、背番号1が雄たけびを上げた。

 伏見工時代の山口良治総監督(81)から受け継がれる言葉「信は力なり」。それを体現する「シンチカ(信力)・タックル」の復活が勝利に結実した。2000年優勝時主将の大島淳史監督(42)は、選手に当時のタックルの映像を見せて指導。日々の練習の最後には10分間ひたすらタックルを行い、吐く選手が続出するハードメニュー「タックルファイト」を敢行した。この日はオフェンス、ディフェンスともに果敢に体をぶつけてBシード校を撃破。臆することなく相手の懐に飛び込み続けた。

 9大会ぶりの3回戦進出で元日試合の切符を獲得した。「シード校をもう一つ倒したい」と指揮官。赤黒軍団の躍進は、まだまだ止まらない。