<全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)>◇30日◇富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場(7区間43・4キロ)3年ぶり出走となった拓大エースの不破聖衣来(4年=健大高崎)が、学生最後の駅伝で大学史上最高の4位に貢献した。最長1…
<全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)>◇30日◇富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場(7区間43・4キロ)
3年ぶり出走となった拓大エースの不破聖衣来(4年=健大高崎)が、学生最後の駅伝で大学史上最高の4位に貢献した。
最長10・5キロのエース区間、5区で6人抜き。33分51秒を記録し、区間賞となった大東大のサラ・ワンジル(2年)に6秒差の区間2位と快走した。来春に三井住友海上へ進み、28年ロサンゼルス五輪を目指す道のりを明るく照らした。
立命大が大会新記録2時間21分9秒で全日本大学女子駅伝との2冠達成。名城大は8位で7連覇を逃した。
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サングラスで瞳を隠しながらも、快走する不破は笑っていた。
ルーキーで注目を集めた3年前、10人抜きで区間新記録を樹立した5区に帰ってきた。澄んだ空、壮大な富士山に見守られたレース。自身の区間記録には1分28秒及ばなかったが、心身に充実感が残った。
思い残すことはなかった。10位でたすきを受け、最初の1キロを3分9秒のハイペースで入った。1・5キロ地点で1人目を抜き、その姿に解説の増田明美さんから「リニアモーターカーみたいに無駄なく進んでいく」と評された。5キロ過ぎで6人を抜き去って4位に浮上し、そのまま同学年で主将の門脇につないだ。
視線の先に4年後がある。拓大卒業後は三井住友海上に進む。長距離界で一時代を築いた渋井陽子コーチが在籍し、マラソン挑戦への思いも強い。今夏はパリ五輪女子マラソンの最終盤の競り合いを映像で見て「自分が4年後に出た時、どういう走りをするかのイメージが持てた。いきなりマラソンだと体的に追い付かない面もある。欲張らず、今できる練習をしていきたい」と刺激に変えていた。
学生最後の駅伝で復調を印象づけ、2025年は新たな門出を迎える。つかんだ自信は、原動力になる。