<全国高校ラグビー大会:大分東明26-26高鍋>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場九州王者でBシード大分東明のロック石川波潤(はうる)主将(3年)は、薄氷の生き残りに涙目だった。「安心したというか…。この仲間ともう1回できることが、うれ…

<全国高校ラグビー大会:大分東明26-26高鍋>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場

九州王者でBシード大分東明のロック石川波潤(はうる)主将(3年)は、薄氷の生き残りに涙目だった。「安心したというか…。この仲間ともう1回できることが、うれしいです」。

高鍋(宮崎)との初戦はグラウンドで決着がつかず。約60分間、互角の内容で26-26の引き分け。3回戦進出は主将による抽選になった。封筒は2枚。予備抽選の結果「自分が後を取った」と石川。自分から見て左側にあった“残り物”の封筒を手にした。同時開封し「次回出場あり」の当たりを引き当て「グッときた」と感無量の表情だった。

一方で、高鍋は落胆するしかなかった。敗退が決定し、檜室秀幸監督(50)は「負けてないから。負けてないぞ」と号泣する選手らを必死に励まし続けていた。FB隈江隆希(3年)は「勝ちたかった。悔しい」と無念さを募らせた。引き分け抽選に参加したCTB河野剛大主将(3年)は「ありがとう。頑張って」と石川波主将にエールを送った。生き残った石川波は「気軽に話せる仲。『絶対に優勝してくる』っていう約束をしました」と気持ちを奮い立たせた。死闘の末の引き分け抽選は、両チームともに涙する結末となった。【佐藤究、塚本光】