「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館) 前王者・井岡一翔(35)=志成=が王者のフェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=にダイレクトリマッチを挑む一戦が中止となったことが30日、分か…

 「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)

 前王者・井岡一翔(35)=志成=が王者のフェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=にダイレクトリマッチを挑む一戦が中止となったことが30日、分かった。都内で行われた前日計量の会場で発表された。マルティネスのインフルエンザ感染のためで、興行は行われる。

 マルティネスは25日に発症し、26日に病院でインフルエンザA型の診断を受けた。26日の公開練習と29日の調印式はキャンセルした。両陣営とも開催に向けて動いていたが、熱は下がったものの試合ができる体調には戻らず。30日朝にマルティネスからキャンセルの申し出があったという。

 以下、記者会見での井岡一翔と、マルティネスのトレーナーのロドリゴ・カラブレッセ氏の一問一答。

 井岡「自分自身とても複雑な心境ですが、この状況を受け入れて、次に進んで行くしかないと思っているので。自分自身切り替えて次に進んで行きたいと思っています」

 カラブレッセ氏「回復を努力しました。やれることは全部やったつもりですが、回復はできませんでした」

 -マルティネスの体調不良、試合中止を知ったのは。

 井岡「マルティネス選手の体調が悪いと聞いたのは、調印式を予定していた日(26日)ですね。試合が中止になったと聞いたのは、僕も体重の最終調整していた時に、試合ができないということを聞きました。今日の朝です。

 試合ができるかどうか不安ではありましたけど、自分自身試合に向けてできることをやっていかないといけないですし、試合が開催されることを願っていましたし、何よりマルティネス選手がベストな状態でリングに上がることがベストだと思っていたので、それを信じて、この日に向けて、自分のやるべきことをやっていたという感じです。

 とても複雑な気持ちですし、これまでのキャリアの中でも初めてのことなので、受け入れないといけないんですけど、なかなか実感が湧かない部分と、自分自身も最後体重調整して、この終わり方で。いつもは計量器に乗って、水分を取って、補給して、コンディションを戻して行くんですけど、この段階で水分を口にして何か違和感があったりとか、気持ち的にも試合がなくなったんだっていう気持ちではありましたけど、僕自身下を向いてられないですし、次に向けてやっていきたい、進みたい気持ちなので。今は完全に気持ち的な整理が付いたかと言われればそうじゃないですけど、気持ち的には前を向いてやっていくしかないので、切り替えていきたいと思っています」

 -マルティネス選手の経過は。

 カラブレッセ氏「26日の公開練習の後、病院に行って検査を受けて、診断結果はインフルエンザA型でした。薬と解熱剤が処方され、私たちは最後の最後まで回復するものと思っていました。私たちにとってこの試合は大変重要で、私たちチームも選手も大変な努力をしてきました。私たちにとって一番大事な催しもののクリスマスに家族と過ごすことをやめてボクシングに費やしてきましたが、実際のところなかなか回復が認められず、コンディションを作ることができないと判断しました。熱は問題ないが、戦うコンディションにはありません」

 -今後は。

 カラブレッセ氏「もちろん井岡選手とやりたいと私たちは望んでいます。プロモーター同士の話し合いで解決していくこと。チームとしては井岡選手と将来戦えることを希望します。マルティネスはこの階級で戦うことになっています」

 井岡「やれるなら僕も戦いたい気持ちですし、それがベストだと思います」

 -チャンピオンへの怒りは。

 井岡「怒りはないですね。試合がなくなって残念な気持ちですけど、僕は僕自身集中して試合に向けてできることをチームとやって来て、いい状態、とてもいい練習ができてすごいいい時間が過ごせたので、その過程は無駄にはならないと思いますし。マルティネス選手も体調に気をつけていたと思うし、インフルになりたくてなってるわけじゃないと思うし、仕方ないことだと思うので、自分は自分の中でしっかり受け入れて整理して、また向き合ってやっていくしかないと思っています」

 -次戦に向けて。

 井岡「いつでも戦える準備はできているので、いつでもやってもらえるのなら、僕は準備ができています」

 -早めに戦いたいか。

 井岡「そうですね、マルティネス選手と戦えるなら一番それが理想ですし、マルティネス選手が戦えないのなら、次のチャンピオンと戦える交渉に入ってもらいたいなと思います」