阪神の高橋遥人投手(29)と岩崎優投手(33)、ドラフト5位の佐野大陽内野手(22)=日本海L・富山=が29日、地元の静岡県・草薙球場で「プロ野球静岡県人会」に参加した。県内の野球チームに所属する少年少女170人が参加。高橋は大歓声を受け…

 阪神の高橋遥人投手(29)と岩崎優投手(33)、ドラフト5位の佐野大陽内野手(22)=日本海L・富山=が29日、地元の静岡県・草薙球場で「プロ野球静岡県人会」に参加した。県内の野球チームに所属する少年少女170人が参加。高橋は大歓声を受け、来季は30歳の節目を迎えるが「若い時の自分に負けたくない」とさらなる進化を誓った。

 プロ入りから来年で8年、11月には節目の30歳を迎える。年齢を重ね、体の衰えを感じることが多少なりともあるかと思ったが…。高橋は真っすぐな目で即答した。「ないっすかね。年齢が上がるにつれて野球もうまくなりたいし、まだまだなれると感じる。今よりも若い時の自分に負けたくない」。力を込めた、キャリアハイ宣言だった。

 その言葉の裏には自身への期待もある。今季はシーズン途中から支配下再契約をつかみ、5試合の登板で4勝1敗、防御率1・52。左手首にプレートを入れたまま、後半戦の優勝争いに欠かせない戦力となった。オフにはそのプレートを除去。現時点でキャッチボールは30メートルの距離をこなし、2月のブルペン投球再開に向けてリハビリに励んでいる。

 「キャッチボールをしている感じは前よりもいい。プレートが入っている時になかった感覚。状態を上げるために取ったので、自分に期待したいです」

 当然、求められるのは数字だ。これまでのキャリアハイは20年の5勝。毎年のように故障と向き合ってきた。左肩、左肘、左手首…。もう気にせずに投げられるかもしれない。「外から見ても今年は全然違う、いいんじゃないかなと思ってもらえるようなパフォーマンスを目指して頑張りたい」。具体的な数字は一つだけ挙げた。

 プロ7年で通算18勝。「20はいきたいですね。十の位が変わるので」と笑った。もちろん通過点。今年の勝ち星のペースを考えても、30歳シーズンに通算30勝の「30-30」も視界に入る。12勝。ハードルは高いが、「投げた試合は勝てるように」とポテンシャルを秘めている。

 2年前は野球少年から「誰?」という正直すぎる声もあった。今年は違う。名前入りの黄色いタオルが何枚も揺れ、スタンドからは「遥人、頼むぞ!」と大声が飛んだ。恥ずかしそうに手を振ったが、静岡のファンの願いは届いている。「知ってもらえるようにもっと頑張ります」。30歳シーズンでも進化は止まらない。