「ガールズグランプリ2024」(29日、静岡) 石井寛子(38)=東京・104期・L1=が最終バック2番手の好展開を生かして直線一気の差し脚発揮で1着。2017年の平塚に続き、ガールズグランプリ2回目の優勝を手にした。世界選手権のケイリン…
「ガールズグランプリ2024」(29日、静岡)
石井寛子(38)=東京・104期・L1=が最終バック2番手の好展開を生かして直線一気の差し脚発揮で1着。2017年の平塚に続き、ガールズグランプリ2回目の優勝を手にした。世界選手権のケイリンで金メダルを獲得して今年のガールズケイリンも15戦15勝だった佐藤水菜(神奈川)は3番手からまくり上げるも2着。ガールズグランプリ連覇はならなかった。
ガールズケイリンのレジェンドが女王の座に返り咲いた。今年で11回目となる年末の大一番は最後方7番手からスタート。「今までのグランプリは前の位置から戦うことが多かった。でも、勝てないことが続いたし、今回は7番車だし、後ろから我慢のレースを選んだ」。石井寛の冷静な判断が勝利を呼び込んだ。
前を走る坂口楓華(愛知)がカマシ先行。最終バックは2番手と本人も驚く絶好の展開になった。「でも、冷静に気持ちを切り替えて『焦らず走る』といい聞かせた。ゴールを駆け抜けたあとは夢心地。楽しんで走って結果が付いてきました」とレースを振り返った。
デビューした2013年から出場を続けた大舞台だったが、昨年は思うように賞金が稼げずに初の補欠。今年も序盤は結果が出ずに苦しんだが、8月の女子オールスター(平塚)が転機になった。ファン投票で選ばれたドリームレースで7着。決勝進出へ後がなかった2日目に1着。この勝利がきっかけになり、秋に入ると1着を量産。5場所連続優勝も決めてグランプリ復帰を決めた。
「応援してくれるファンのおかげです。パワーを送ってもらえたから勝てました」とファンへの感謝があふれた。来年は女王としてG1優勝が目標だ。「G1は苦手。今年は一回も決勝に乗れなかった。来年はまず決勝に乗れるように」と気合を入れた。
この優勝で通算獲得賞金額は2億円を越えた。もちろんガールズのトップだ。「まずは寄付。あとはお世話になった人に恩返しをする。あとは大好きなMrs.GREENAPPLEの推し活に使います」と大好きなアーティストの話になるとようやく笑顔がはじけた。この優勝は彼女の競輪人生の第2章の始まり。2025年も1着と優勝を積み重ねてガールズケイリンの歴史を切り開いていくつもりだ。