プロボクシング元世界4階級制覇王者井岡一翔(35=志成)の13度目の大みそか決戦開催に暗雲が漂った。31日、東京・大田区総合体育館で控えるWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)-同級6位井岡のダイレク…
プロボクシング元世界4階級制覇王者井岡一翔(35=志成)の13度目の大みそか決戦開催に暗雲が漂った。31日、東京・大田区総合体育館で控えるWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)-同級6位井岡のダイレクトリマッチに向け、29日に都内で調印式が予定されていたが、急きょ中止となった。会場には日本ボクシンングコミッション(JBC)担当者、通訳もそろい、会見場もセッティングされていた。
WBA、IBF世界同級統一戦で初めて拳を交えた今年7月以来、約5カ月ぶりに両者が対面するはずの調印式だったものの、直前にマルティネス陣営から「コンディションを整えたい」と土壇場でキャンセルの申し入れがあったという。そのため会場にはマルティネス、井岡ともに姿を見せなかった。
マルティネスは37・8度の発熱を理由に26日に予定されていた公開練習も“ドタキャン”していた。志成ジムの芳野一貴プロモーターは「王者側の要望を受けて調印式は中止になりますが、明日の前日計量は予定通りに開催します。試合中止の可能性はないと思って動いています」と説明した。マルティネスの回復状況も含めたコンディションについて判明していないものの、病院には足を運んでおらず、試合キャンセルの申し入れはないとしている。
減量中は選手の体温が上がるケースが多いとされている。JBCの安河内剛事務局長は「体調の状況を見ないと分からない。世界戦なので王者、挑戦者のコンディションは秘密にされているかもしれない。すべて推測になってしまうので、明日の計量で慎重に見極めたい」と言葉を選んだ。既にWBAの立会人(スーパーバイザー)も来日済み。調印式は中止となったが、計量パスし、ドクターチェック、グローブチェック、ルールミーティングを経て両陣営がサインすれば世界戦開催は成立する。