◆全国高校ラグビー第2日 ▽1回戦  盛岡工26―24飯田(28日・花園) 4大会ぶりに出場した盛岡工(岩手)は後半23分、NO8吉田勇玖(3年)のトライ&ゴールで飯田(長野)を逆転し、26―24で17大会ぶりの白星を挙げた。 ノーサイドの…

◆全国高校ラグビー第2日 ▽1回戦  盛岡工26―24飯田(28日・花園)

 4大会ぶりに出場した盛岡工(岩手)は後半23分、NO8吉田勇玖(3年)のトライ&ゴールで飯田(長野)を逆転し、26―24で17大会ぶりの白星を挙げた。

 ノーサイドの瞬間、盛岡工フィフティーンは両手を高く突き上げた。19―24で迎えた後半23分、吉田がゴール中央に同点トライを挙げ、自らコンバージョンキックを決めて逆転。だが、26―24で迎えたラストワンプレーから飯田の強力FWが作ったモールで敵陣から約80メートル後退させられるピンチを迎え、自陣ゴール前でペナルティーを犯した。飯田がとった選択は、決まれば逆転となるPG。しかしゴールは外れ、そのままホイッスルが鳴った。吉田は「言い方が悪くなっちゃうかも知れないけど、自分たちのFWが意地を見せたから相手がキックに逃げた形になった。そこは自分達の勝ち」と胸を張った。

 親子2代にわたっての花園勝利だ。父・将之さん(42)は同校OBで現役時代はWTBとして活躍し、チームの79回大会8強入りに貢献。小原義巧監督とは同級生で、同校でともに楕円(だえん)球を追った。「父が全国大会に行った話を聞いて格好いいと思ったし、体を当てる事も好きだった」と父の影響でラグビーを始めた息子は大会前、「どうやったら自分のプレーが良くなるのかを話し合ったり、キャプテンシーが足りないんじゃないかと声をかけてもらったりしました」。実際にこの日の同点トライは自陣で相手ディフェンスのギャップをうまく突いての突破。「密集の一つ二つ外、ギャップの広い所にいた方が抜けると思う」という父の金言が聖地での1勝につながった。

 65年度、70年度大会で2度の全国制覇を果たした古豪は、07年度以来17大会ぶりの勝利を果たし、次戦は茗渓学園(茨城)に臨む。「頑張ります。それしかないです」。尊敬する父を越えるためにも全力で体を張る。(太田 和樹)