青柳(左)、佐々木(中央)、小笠原(右)。この3投手の契約動向は小さくない注目を集めている。(C)Getty Images、(C)産経新聞社 今オフのメジャーリーグの移籍市場でも大型移籍が次々に成立。メッツと最大8億ドル(約1216億円)に…
青柳(左)、佐々木(中央)、小笠原(右)。この3投手の契約動向は小さくない注目を集めている。(C)Getty Images、(C)産経新聞社
今オフのメジャーリーグの移籍市場でも大型移籍が次々に成立。メッツと最大8億ドル(約1216億円)になる15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)の史上最高額の契約を締結したフアン・ソトをはじめ、大物の動きが活発化している。
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そうした中で、日本球界から海を渡ろうというサムライたちの動向にも米球界から熱視線が注がれている。今オフは、すでに巨人から海外FAでの移籍を決めた菅野智之がオリオールズと1年1300万ドル(約20億円)でサイン。小さくない話題を生んだ。
一方で越年での契約が濃厚となっている選手たちもいる。去る12月15日までにポスティングシステムの申請手続きを実行した青柳晃洋(阪神)、佐々木朗希(ロッテ)、小笠原慎之介(中日)の3投手だ。3人はそれぞれ日本時間で、青柳が来年1月18日午前7時、佐々木が同月24日午前7時、小笠原が同25日午前7時に交渉期限を迎える。この日までに買い手がつかなければ、今オフのメジャー移籍は断念となる。
米球界への挑戦か、はたまた日本球界残留か。この3投手は依然としてコービン・バーンズら実力派投手も残るメジャーリーグの移籍市場の情勢を睨みながら交渉を進めていくことになる。
目下、3投手の中で別格の関心を集めるのは佐々木だ。MLBが設ける労使協定である「25歳ルール」によって、交渉が契約金を含めた上限が年間500万ドル(約7億2500万円)以下に制限される23歳は、文字通り怪物級のポテンシャルを保持しており、獲得に本腰を入れる球団は「30球団未満20球団以上」とされている。
すでにドジャース、パドレス、カブス、ヤンキース、メッツといったビッグマーケット球団を中心に面談が進行中と報じられ、「Sasaki」の名は米球界の移籍市場で一種のトレンド化。もはや焦点は「メジャー契約を掴めるか」ではなく「どこと契約するか」にあると言っていい。昨オフもロッテと越年で契約更改を行った佐々木だが、今オフは心に幾分のゆとりを持って過ごせそうだ。
一方で小笠原と青柳はメジャー契約そのものの行方が注目される。
前者はカブスやエンゼルスなど先発投手の駒不足に悩む球団を中心に米メディアで動向に関するニュースとなっているものの、明確な情報は目立っていない。それこそ去就決定は、バーンズやジャック・フラハティなど今オフのFA市場に残る大物投手の動静次第で大きく様変わりする可能性もある。
後者に対する声は実にシビアだ。NPB9年の通算成績は154先発、61勝(47敗)、防御率3.08、WHIP1.24とまずまずの数字を残している30歳の青柳だが、「NPBでの数字を見る限り、マイナー契約にとどまる可能性がある」(米移籍専門サイト『MLB Trade Rumors』)という指摘もある。
投手市場が活発化した今オフのメジャーリーグは、FA選手の交渉が優先的に進められている傾向が強い。ゆえに本人が「どうなるかはわかりませんが、MLBに挑戦できる事を望みながらしっかりと良い話ができるようにしていきたい」と言うように、期限ギリギリでのマイナー契約も覚悟の上で交渉を進める必要は少なからずあるだろう。
米球界も年末年始に入り、つかの間の休息期間に入った感がある。その中で越年での契約が決定的となっている3人のサムライの動静に注目し続けたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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