第103回全国高校サッカー選手権(東京・国立競技場など)は28日に開幕。前年度王者の青森山田(青森)は、寮長を務め精神的支柱のFW石川大也(3年)が2連覇に向けチームをけん引する。 初の2連覇に向けて、青森山田の大黒柱・FW石川が先頭に立…

 第103回全国高校サッカー選手権(東京・国立競技場など)は28日に開幕。前年度王者の青森山田(青森)は、寮長を務め精神的支柱のFW石川大也(3年)が2連覇に向けチームをけん引する。

 初の2連覇に向けて、青森山田の大黒柱・FW石川が先頭に立ち、献身的なプレーで勝利に導く。神奈川県出身で高校から同校への進学を熱望し、加入した。「武者修行じゃないですけど、ここで努力して、活躍できなかったらどこのチームに行っても活躍できない。日本一のチームでチャレンジしてどれだけやれるかというのを、覚悟を決めて選びました」。力を磨いてきた9番が、高校3年間の集大成となる大会で最高の結果を出す。

 今年初めはセカンドチームでの出場だったが、5月5日に行われた高円宮杯U―18プレミアリーグEASTの昌平戦(1●2)での先発を機に、スタメンの座に定着。172センチのストライカーはクロスボールからいかにゴールを生み出すかをこの3年間で意識して、取り組んできた。「身長が高くないぶん、クロスボールの入り方や、どのようにしたら、中で合わせられるのかの駆け引きのところを3年間、自主練や練習でやってきた」。得意な形に持ち込み、ネットを揺らす。

 私生活では24年4月から寮長を務め「サッカーの神様は、どこで自分にほほ笑んでくれるか分からない」と、だらしない生活やルールを守れていない選手がいた時には厳しい言葉をかけて、まとめてきた。「小さなことかもしれないですけど、そういう積み重ねがいつか大きい結果となって返ってくるのを自分は信じてやってきている」。誰よりも真面目に取り組んできたからこそ、仲間たちからも絶大な信頼を得ている。

 正木昌宣監督も「誰よりも一生懸命で、背中で引っ張ってくれる選手。FWらしくゴールという見える結果も意識しながらやってほしい」と期待している。「やっぱりFWとして点を取る仕事が一番。点を取ってチームを勝たせたい」。積み重ねてきた努力を存分に発揮し、優勝に導く。(山崎 賢人)