阪神・才木浩人投手(26)が26日、12月下旬に母校の兵庫・須磨翔風高を訪問し、恩師の中尾修監督(59)からリーグ優勝指令を受けたことを明かした。今季は13勝を挙げてチームの勝ち頭となり、来季はエースとしての活躍が期待される右腕。チームの…
阪神・才木浩人投手(26)が26日、12月下旬に母校の兵庫・須磨翔風高を訪問し、恩師の中尾修監督(59)からリーグ優勝指令を受けたことを明かした。今季は13勝を挙げてチームの勝ち頭となり、来季はエースとしての活躍が期待される右腕。チームの命運を背負う覚悟でマウンドに上がり、2年ぶりの頂点に導くことを誓った。
青春の思い出が詰まった母校の空気に触れ、才木の表情は自然と緩んだ。日の丸を背負うまでに大きく成長した1年。母校帰還が年末の恒例行事となる中、今年は堂々たる結果をひっさげて中尾監督と再会を果たした。
周囲の期待を背負って迎える来季。恩師から新たな“宿題”を授かった。「エースと呼ばれるからにはチームを優勝させることが使命。そうすれば自然と数字も付いてくるはず」。昨季はリーグ優勝を果たすも自身は8勝。今季はキャリアハイの結果を残して立場も変わったからこそのエールを受け、才木は「優勝できるように頑張りたい」と決意した。
昨年末に中尾監督から「18勝」、「防御率1点台」、「勝率8割」の三大指令を受けて迎えた今季は、自身初の2桁勝利となる13勝を挙げて、防御率1・83、勝率・813。勝利数こそ届かなかったものの、2つの目標をクリアした上に規定投球回にも到達した。11月のプレミア12ではキャリア初の日本代表入り。中尾監督は「本当に立派になった」と教え子の活躍を喜んだ。
恩師が成長を実感したのは数字だけではない。「大人になっている」と才木のマウンド上での表情に一目を置く。高校時代からピンチの場面で顔つきが険しくなりやすいタイプだったが、今季は緊迫したシーンでも平然とした表情で打者と対峙(たいじ)。「抑えたらガッツポーズもするけどそれまではずっと表情が一緒。(感情の)波がなくなっている」とメンタル面の進化を明かし、堂々たる立ち居振る舞いを称賛。心技体の充実を感じ取ったからこそ、来季はエースとして虎を優勝に導くことを願った。
才木は2年ぶりに母校のウエートルームでトレーニングを敢行。「フィジカル面全てでレベルアップしたい」とこの日は身体操作向上のためにブリッジや逆立ちを繰り返し行って汗を流した。母校到着後もあいさつをしてからすぐにトレーニングウエアに着替えてウエートルームに直行と、高校時代から変わらない野球小僧っぷり。中尾監督は「ヒーローインタビューの愛くるしさとか、野球に対する飽くなき向上心は変わらない」と目を細めた。
「優勝してここに帰ってこられるように」と才木。投手陣の柱として腕を振り、来年も胸を張って母校への帰還を果たす。
◆神戸市立須磨翔風高 所在地は兵庫県神戸市須磨区西落合1の1の5。同高出身のプロ野球選手は才木の他に、安田悠馬(楽天)。野球部は24年の春季近畿大会ベスト4。夏の県大会5回戦敗退だった。才木は2年夏の県大会でエースとして8強進出に貢献。3年夏は2回戦敗退だった。