ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、都内のホテルで入団会見に臨んだ。入団の決め手になったのは「阿部監督」とし「阿部監督を胴上げするためにまた気持ちを新たに一生懸命頑張ってい…

 ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、都内のホテルで入団会見に臨んだ。入団の決め手になったのは「阿部監督」とし「阿部監督を胴上げするためにまた気持ちを新たに一生懸命頑張っていきます」と決意表明。「グラウンド上ではキャッチャーというのは監督なんだ」という言葉とともに背番号10を継承した。

 入団会見の一問一答は以下の通り。

 (冒頭で)

 「読売巨人軍に入団いたします甲斐拓也です。移籍に際し、とても熱いお言葉を阿部監督の方から頂き、阿部監督を胴上げするためにまた気持ちを新たに一生懸命頑張っていきますので、よろしくお願いします」

 -今の率直な気持ちは。

 「本当に光栄なこと。気持ちを新たにもう一度野球選手として、ここからスタートする気持ち」

 -ネクタイの色がオレンジ。

 「この日に合わせて」

 -自分で考えたのか。

 「いえ。後輩からプレゼントしてもらい着けてきた」

 -入団の決め手は。

 「阿部監督ですね。間違いなく決断理由の一つ」

 -交渉時に印象に残った言葉は。

 「『グラウンド上ではキャッチャーというのは監督なんだ』と。それは阿部監督も現役の時から(当時監督の)原さんにもそういうふうに言われて、阿部監督自身もそう思ってると。そういう役割があり、司令塔として(プレー)してもらいたいと。10番もそういった思いを受け継いでほしいと。そういった言葉を直接いただいて、ものすごくうれしい言葉でもあり、実際重くのしかかる言葉でもあるなと思った」

 -現役時代の阿部の印象は。

 「小学校高学年くらいの時期に阿部監督がキャッチャー道具をつけて試合に出ている姿はかっこいいなって思ったのが最初。大分出身で、小さい時は巨人戦がテレビに映っていたので。そういった方から直接話をいただけるのはとてもうれしいこと。プロの世界で対戦もさせていただいたが、どうしてもホームランを打たれた印象。捕手としても存在感というところをものすごく感じたのを覚えている」

 -巨人の印象は。

 「やはり勝たないといけないチーム、勝ち続けないといけないチームだと思う。その責任はもちろん、プレッシャーもある。勝ち続けて、今は若い選手、若い投手陣も多くなってると思うので、いままで自分が経験したことを引き続きやっていければと思う」

 -パとセの戦い方の変化は?

 「交流戦などでもセ・リーグの戦いは、ものすごく違いを感じた。日本シリーズもそう。実際にホークスで小久保監督が打線を組む時も、やっぱりセ・リーグの野球の時は、そういう組み方をしていた。僕はまだまだ学ぶべきことはたくさんあるなというふうに感じてたので、セ・リーグの野球を実際に感じたい」

 -来季に向けて。

 「もちろん勝つこと。リーグ優勝、日本一に向かってしっかり頑張ってやっていきたい」

 -入団にあたって連絡を取った巨人選手は。

 「(坂本)勇人さんであったり、丸さん、長野さんも連絡させていただいた。あとは(岡本)和真。シーズンを通してちょいちょい連絡してることもあるが、直接連絡をして『来年からよろしくお願いします』と。『何かあったら何でも聞いてきて』と言ってもらった」

 -田中将と同じチームになる。

 「(東京)五輪で一緒のチームで会話もさせていただいた。それ以降は特には会話もしていないので、これからコミュニケーションを取っていけたら。あそこまでの投手。いろんな話を聞いて捕手としてもいろんなものを吸収したい」

 -外から見ていた巨人の印象と、どう貢献したいか。

 「若い選手がものすごく力を付けていている印象。投手陣も力のある投手がいると今年の交流戦で感じた。捕手としてチームが勝つことが一番。バッテリー間のコミュニケーション、18・44(メートル)の空間を大事にしていきたい」

 -来季、開幕前にはドジャースとの試合がある。

 「今はまったくそこまで考えてない。とにかく早くチームになじんで、コミュニケーションとって開幕に向けてのシーズンを戦うための準備をどれだけできるか。今はそこまでは考えてないですし、どちらかというと、キャンプのことで頭がいっぱい」

 ーセ・リーグと大きく違うのは。

 「打線の組み方もそうだし、途中で選手を代える起用であったり、どこで打順を入れるのか。投手が入っているので。入れ替えの仕方、代えるタイミングも難しいと思う。日本シリーズでも、やっぱり打席に入ってもものすごく難しいなと感じた部分もあった。8番バッターであれば9番にピッチャーが入るので、やっぱりセ・リーグならではだなと感じた」