ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、都内のホテルで入団会見を開いた。5年以上の長期契約で、年俸総額は15億円超の破格オファー。阿部慎之助監督(45)も同席する中、新天地での…

 ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使し、巨人に移籍した甲斐拓也捕手(32)が26日、都内のホテルで入団会見を開いた。5年以上の長期契約で、年俸総額は15億円超の破格オファー。阿部慎之助監督(45)も同席する中、新天地での決意を熱い言葉で語った。(金額は推定)

 「今回、移籍に際し、とても熱いお言葉を阿部監督の方から頂き、阿部監督を胴上げするためにまた気持ちを新たに、一生懸命頑張っていきますので、よろしくお願いします」

 球団は国内FA権を行使した阪神・大山悠輔内野手(30)、ソフトバンク・石川柊太投手(32)の獲得に動いたが、大山は阪神残留、石川はロッテ移籍が決定。思惑が外れた中でも同月16日、中日を自由契約となったマルティネスの獲得を発表。楽天を自由契約になった田中将大投手(36)も、25日に入団会見を開いたばかりだ。

 前日の会見にも同席した阿部監督はこの日、「連日みんな、皆さんご苦労様です」と笑わせながら、「今日は今年最後のビッグニュースになると思います。これ以降は多分ないと思っておいてください」とユーモアたっぷりにコメント。「今日、こうして入団会見に出席できて、甲斐君も巨人に来ていただけるということで、とても興奮してますし、嬉しく思っています」と喜びを語った。

 FA補強は2020年オフにDeNAから井納翔一、梶谷隆幸を獲得して以来4年ぶり。今月18日にはトレイ・キャベッジ選手(27)=前パイレーツ=の獲得も発表。今季は4年ぶりのリーグ優勝を果たした中、連覇に向け補強の手を緩めないでいる。ビッグネームの獲得が続く現状について、吉村禎章編成本部長同本部長は今月17日にも「とにかく私たちはチーム一丸となって、目標は連覇とやっぱり日本一ですから」とし、「現場としては、とにかく一番いい形で戦えるようなところに、私たちフロントが現場に向けて協力すると、その中で現場が指揮を執ってもらって、来季はそういう形で必ず連覇日本一になると、いうところしか考えていません」と明かしていた。

 甲斐は大分県出身で、楊志館から2010年育成ドラフト6位でソフトバンクに入団。13年オフに支配下登録され、14年に1軍初出場。強肩で盗塁を阻止する“甲斐キャノン”を武器に、17年に育成出身捕手として初めてゴールデングラブ賞を受賞するなど計7度。ベストナインには3度輝いた。13年プレミア12、21年東京五輪、23年WBC日本代表に選出された。

 プロ14年目の今季119試合に出場。リーグ1位のチーム防御率2・53を誇る投手陣をけん引した。規定打席には届かなかったが打率・256、5本塁打、43打点をマークし、ソフトバンクの4年ぶりのリーグ制覇に貢献した。