第104回全国高校ラグビー大会が27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。愛知県代表の中部大春日丘は、12大会連続14回目の出場で初の4強進出をめざす。Bシードに選ばれ、初戦は30日、京都工学院(旧伏見工)と聖光学院(福島)の勝者…

 第104回全国高校ラグビー大会が27日、大阪府の東大阪市花園ラグビー場で開幕する。愛知県代表の中部大春日丘は、12大会連続14回目の出場で初の4強進出をめざす。Bシードに選ばれ、初戦は30日、京都工学院(旧伏見工)と聖光学院(福島)の勝者と対戦する。

 「二年分の練習」。春日井市の同校グラウンドに掲げた横断幕には、今季のスローガンが記されている。宮地真監督(59)が新チーム始動時、選手たちへ課したテーマだ。主力には下級生が多く、「素質はある。若いチームだから1年間で2年分の練習をして、体もメンタルも力をつけないといけない」。

 11月の県大会決勝で、先発15人のうち3年生は3人。県大会4試合で計262得点を挙げた攻撃の要は、17歳以下日本代表のスクラムハーフ荒木奨陽選手(2年)だ。巧みなパスとゲームコントロールが強みで「仕掛けを見てほしい」。バックスの展開力が生命線で、フルバック加藤秀悟選手(2年)は果敢な突破と正確なキックが持ち味だ。負傷で県大会を欠場したスタンドオフ芦高弘晟選手(2年)の復帰もめどが立った。

 前回を含め、花園では8強が最高成績。フォワードを引っ張る川島大虎主将(3年)は「自分たちは体は小さいけど、ファイトし続ける」と力を込める。

 1992年から率いる宮地監督は今春、教員を早期退職してラグビーの指導に専念する。自宅敷地内に寮を新築し、選手らと向き合っている。「花園で4強以上になるには、ふさわしい個人の人格とチームの格がいる。とことんやり通して文化を築き上げる」

 オレンジのジャージーの伝統は、新たなフェーズへ入った。歴史を塗り替える戦いに挑む。(辻健治)