■成長を結果で示し臨んだ夢舞台 4年ぶりにウインターカップの舞台に立った柳ヶ浦高校(大分県)の武器は、ハードなディフェンスから…

■成長を結果で示し臨んだ夢舞台


 4年ぶりにウインターカップの舞台に立った柳ヶ浦高校(大分県)の武器は、ハードなディフェンスから流れをつかみ、そこから内外バランスの良い攻撃につなげるバスケットだ。インターハイではベスト16で敗退。チームは夏以上の成績をノルマに『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』に臨んだ。

 12月24日に行われた初戦の相手は、京都精華学園高校(京都府)。柳ヶ浦は 最初の10分で19-13としたが、その後は競り合いに持ち込まれ、最後は68-73で敗戦した。第1クォーターから順に19-13、8-24、28-11、13-25。このスコアを見ても、互いに流れを奪い合う白熱した展開だったことが汲み取れる。

「夏はベスト16という結果で終わってしまったので、今回のウインターカップではベスト8に入って必ずメインコートで試合をすることを目標に掲げました。1クォーター目は自分たちのバスケットができてすごくいいペースでしたけど、途中から自分たちの思うようなバスケットができなくなってしまいました。そのあとも取り返すことができたんですけど最終的に負けてしまって、ベスト8以上を目指していたのでとても悔しいです」

 試合後のミックスゾーンで、柳ヶ浦の山根遼太郎(3年)は淡々と試合を振り返った。

 インターハイ後に出場した9月の天皇杯では2連勝で1次ラウンドを突破。2次ラウンド初戦では51-105で大敗したものの、相手はB3のトライフープ岡山だった。8月31日から12月1日の期間には「U18日清食品 九州ブロックリーグ」で8試合を戦い、結果は6勝2敗の3位。ウインターカップに向けて底上げを図ってきた柳ヶ浦だったが、無念にも1試合で大会を去ることになった。

■「ブバの負担を大きくさせてしまった」


 今年の柳ヶ浦は、山根とボディアン ブーバカー ベノイット(3年)がダブルキャプテンとしてチームをけん引。京都精華学園戦の第4クォーターにはベノイットが負傷交代するアクシデントにも見舞われた。

「彼がチームの中心であることは間違いないです。今日の試合で点差を広げられてベンチが暗くなってしまった中でも、彼が積極的に声を出してくれました。自分がダブルキャプテンの1人にも関わらず、ブバの負担を大きくさせてしまったことを非常に反省しています」

 この1年間、コート内外でリーダーシップを発揮したベノイットについてそう話した山根は、「自分は2年生の時から試合に出させてもらっていて、今年はチームを全国ベスト8以上に導くことが個人の目標でした。それを達成できなかったのは自分の責任でもあります」と悔しさをにじませた。

 それでも、柳ヶ浦での3年間に後悔はない。「最後の試合で負けてしまって悔しいですけど、自分の中ではやりきったと思います。もう過去のことに対して後悔していることはないですし、中村先生(中村誠コーチ)には1年生の頃からベンチに入れていただいて、たくさんの経験をさせていただきました」。

「これからも自分で強みであるスピードを生かしつつ、課題の3ポイントシュート精度を上げられるように頑張りたいです」。山根はさらなる飛躍を誓い、これからもバスケットに打ち込み続ける。

取材・文=小沼克年

【動画】「時間ある!」「最後まで!」負傷交代後も大声でチームメートを鼓舞していた柳ヶ浦のベノイット