第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、2年ぶりの王座奪還を狙う駒大の主将・篠原倖太朗(4年)、佐藤圭汰(3年)はトラック種目で来年の東京世界陸上初出場を目指している。大八木弘明総監督(66)率いる少数精鋭チームで、卒業生らとハイレベル…

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、2年ぶりの王座奪還を狙う駒大の主将・篠原倖太朗(4年)、佐藤圭汰(3年)はトラック種目で来年の東京世界陸上初出場を目指している。大八木弘明総監督(66)率いる少数精鋭チームで、卒業生らとハイレベルな練習を積む超学生級エース2人が、25年東京世界陸上イヤーの幕明けを告げる箱根路で、インパクトある走りを披露する。

 駒大の2人は日の丸に熱い視線を送っている。篠原主将は「来年の世界陸上は5000メートルや1万メートルでいけるところまでいきたい」と意気込み、佐藤も「夢は五輪でメダルを取ること。日本人が誰も走っていないレベルにならないといけない」とうなずく。大八木総監督の率いる「Ggoat」で、1万メートル世界陸上2大会連続出場中の田沢廉(24)、1万メートル日本歴代5位の鈴木芽吹(23)=ともにトヨタ自動車=らと日々鍛練し、意識は高い。練習からバチバチで藤田敦史監督(48)も「お互い絶対に引かないです」と切磋琢磨(せっさたくま)して成長してきた。

 5000メートル(屋外)とハーフマラソンで日本人学生記録を持つ篠原。卒業後は実業団の富士通に進むが拠点は駒大のまま。「(28年)ロス五輪はトラック、(32年)ブリスベン五輪はマラソンで狙いたい」と青写真を描く。一方、昨年のアジア大会(杭州)で日の丸を背負った佐藤は、1500~5000メートルを得意とするスピードランナー。箱根後は「次の日から1500、3000、5000メートルで日本記録を狙っていく」と東京世界陸上へ向けて、全力疾走していく予定だ。

 箱根駅伝は1区間20キロ以上と主戦場とは異なるが、貴重な成長と学びの場だという。佐藤は前回3区で青学大・太田に逆転された悔しさを力に変え、1月は5000メートル、2月は3000メートルで屋内日本記録を樹立。「箱根での悔しさが自分を成長させてくれる。箱根への過程も大切にしていきたい」と話す。藤色のエース2人が拠点のある東京で「箱根から世界へ」を体現する。(手島 莉子)

 ◆篠原 倖太朗(しのはら・こうたろう)2002年9月3日、千葉・山武市生まれ。22歳。富里高から21年駒大文学部進学。大学駅伝は1年時の出雲駅伝1区8位。2年時は全日本5区2位、箱根3区2位。3年時は出雲1区区間賞、全日本3区2位、箱根1区区間賞。23年2月の丸亀ハーフで1時間0分11秒の日本人学生記録。今年9月に5000メートルで13分15秒70の屋外での日本人学生記録を樹立。1万メートル自己記録は27分35秒05。175センチ、57キロ。

 ◆佐藤 圭汰(さとう・けいた)2004年1月22日、京都市生まれ。20歳。洛南高3年時に1500メートル、3000メートル、5000メートル(当時)で高校日本記録。22年に駒大経済学部進学。同年に5000メートルで13分22秒91のU20日本新記録。大学駅伝は1年時出雲2区区間賞、全日本2区2位。2年時は出雲2区、全日本2区で区間賞、箱根3区2位。23年杭州・アジア大会5000メートル6位。同年に1万メートル27分28秒50でU20日本新記録(当時)。184センチ、69キロ。