◆ホープフルS追い切り(25日、栗東トレセン) 推進力あふれるフォームは最後まで乱れなかった。クロワデュノールは栗東・CWコースで内からルシフェル(3歳3勝クラス)を2馬身半追走。序盤はジッと我慢を利かせ、馬体を並べた直線入り口からも手綱は…
◆ホープフルS追い切り(25日、栗東トレセン)
推進力あふれるフォームは最後まで乱れなかった。クロワデュノールは栗東・CWコースで内からルシフェル(3歳3勝クラス)を2馬身半追走。序盤はジッと我慢を利かせ、馬体を並べた直線入り口からも手綱は全く動かない。首をうまく使い、徐々にスピードが増していく青鹿毛の馬体。6ハロンでは84秒3だが、ラスト2ハロンは11秒2、11秒3の優秀な時計でまとめた。
手綱を執った北村友は「4コーナーから並びかけて、最後はいいところでバランスを保ってフィニッシュするようにという指示。その通りの調教ができたんじゃないかと思います」と感触を語る。その表情は5か月ぶりだった前走の東京スポーツ杯2歳Sの中間とはまるで違う。斉藤崇調教師も「前走は調教の段階から動きがシャキッとしていなかった」と振り返る。
しっかりと負荷をかける調教を重ねても、本来の姿を取り戻せなかった。成長分があったとはいえ、馬体は初戦から24キロ増。それでも、勝った。「ここにどれだけつなげてくれるかでしたが、勝ち切ってくれたのは大きい」と斉藤崇調教師。中5週とレース間隔が短くなった今回は調整にゆとりがある。「1週ごとに動きを求めることがなかった」と北村友。強い負荷は必要ない。一度使ったことで状態は自然と上がり、走れる態勢は整っていた。
良化途上だった前走の完勝が際立たせるスケールの大きさ。斉藤崇師の視線の先には来春が自然と映っている。「まだ肉づきの点で物足りなさがあるので、来年にかけて良くなれば。ここも勝って、クラシックに行けるように頑張ります」。無敗の連勝ロードを突き進み、絶対的主役へ名乗りを上げる。(山本 武志)