世界最大のプロレス団体である米WWEで9年間にわたって活躍するスーパースター、中邑真輔(44)が来年1月1日、プロレスリング・ノアの日本武道館大会に登場し、佐々木憂流迦(うるか、35)と一騎打ちを行う。中邑はこのほど、デイリースポーツの単…
世界最大のプロレス団体である米WWEで9年間にわたって活躍するスーパースター、中邑真輔(44)が来年1月1日、プロレスリング・ノアの日本武道館大会に登場し、佐々木憂流迦(うるか、35)と一騎打ちを行う。中邑はこのほど、デイリースポーツの単独インタビューに応じ、憂流迦戦や、2026年の1・4東京ドーム大会で引退する盟友・棚橋弘至(47)=新日本プロレス=への思い、今後のWWEでの活動などについて激白した。
中邑にとって、憂流迦は10代から知る和術慧舟會の後輩。目をかけてきたが、一騎打ちが決まると「まだ足んねえな」「このまま平行線でダラダラ続けていても望む未来はやって来ない」などと、古巣・新日本伝統、旧師・アントニオ猪木さん直伝とも言える、言葉のプロレスを仕掛けた。
その真意を「日本のプロレスは思ったままに言えるから、それを楽しまなきゃもったいねえなと思って、思っていることを言いたいように言ってやっただけ」だという。結果として憂流迦を混乱と苦悩に陥れたが「どう取るかはアイツの問題なんで、知ったこっちゃねえや」と突き放した。
UFC、RIZINで長く活躍したMMAの大リーガーである憂流迦もプロレスでは今年1月にデビューしたばかりだが、中邑は「来たからにはもうお客さんじゃないんだから容赦はしませんよ」とピシャリ。試合についても「彼に求めるものなんか何にもない。自分がやりたいことをやるだけで」と手厳しい。
一方で「何も期待しないとか、そんなことは思ってもいない」とも言う。「武道館で中邑真輔とやれる、そこまでは持って来た。それからは本当に彼の実力が試される」と指摘し「それはそれで(悩んで)いいんじゃないですかね。それなりに格闘技で自分を見せてきたわけだから、こっちの世界に入ってきたからにはそれを見せてみろよ」とメッセージを送った。
WWEでは先月、半年ぶりにリング復帰。さっそくUS王座を奪取して最前線に返り咲いた。おどろおどろしいモデルチェンジも話題で「このキャリア、この年になってもまだ変化ができることがあるという部分を楽しんでいる最中なので、現在進行形で変化している中邑真輔をお見せすることができる」と武道館への期待を膨らませる。
新たな中邑真輔は、23年元日にノアで一騎打ちを行ったグレート・ムタから受け継いだ部分が大きいといい「ムタ戦から自分の中に入ってきた毒を、怒りをようやく吐き出すことができるようになった。ダイヤルを切り替えるように人格を切り替える能力を得た」と説明。「ムタ戦より入って来た新しいものに感情を絡めて色濃くして出すっていうイメージの中でやっている感じがしますね。だからエグい。憂流迦はとんだとばっちりを受けるわけですよ」と不敵に笑った。
WWEでは数々のタイトルを手にしたが、頂点王座(世界ヘビー級王座、統一WWE王座)には未達とあって「それはもういつでも思ってます、い・つ・で・も!」ときっぱり。
44歳になったが「どこまで行けるのかっていう部分を楽しみたい」と依然、モチベーションは高い。「USチャンピオンになったのもいい兆しとして、これをキープしつつ上を狙っていきたい」と、世界最高峰をにらみつつ、2025年を戦っていく。
◆中邑真輔(なかむら・しんすけ)1980年2月24日、京都府出身。青学大卒。2002年、新日本プロレスに入門した。日本武道館大会でデビュー。02~04年は総合格闘技にも参戦し、3勝1敗1無効試合。03年、史上最年少、最短でIWGPヘビー級王者に就いた。11年、G1クライマックス初優勝。棚橋弘至とともに新日本を暗黒時代からV字回復させた立役者。16年、WWEと契約。18年、ロイヤルランブル優勝。主なタイトルはインターコンチネンタル王座、US王座など。必殺技はキンシャサ。188センチ、104キロ。