男子プロゴルフで今季2勝、通算20勝を挙げた石川遼(カシオ)が25日、千葉県内で取材に応じ、今年一年の文字に「人」を選んだ。「人の力を感じたし、本当に自分にとって必要な人の存在をすごく感じた一年だった」と周囲への感謝の言葉を並べた。 佐藤…

 男子プロゴルフで今季2勝、通算20勝を挙げた石川遼(カシオ)が25日、千葉県内で取材に応じ、今年一年の文字に「人」を選んだ。「人の力を感じたし、本当に自分にとって必要な人の存在をすごく感じた一年だった」と周囲への感謝の言葉を並べた。

 佐藤賢和キャディーとの関係性にも変化が生じた。「10年組んでいるけど、今までで一番頼ったし、悩みも今まで一番打ち明けた」。16歳でプロ転向して以降、一人で解決する意識が根付いていた。2020年春から田中剛コーチに師事している。「コーチをつけたとはいえ、これは自分で処理しなければいけないみたいなのを自分で思ってしまうところもあった。こんなことを人に聞いて解決しているようじゃダメだよ、みたいなふうに思うところがすごくあった。キャディーさんに対してもそうだった」

 シーズン後半から、試合での一打について「オープンに言語化」できるようになった。コーチとキャディーと3人で、プレーの詳細をより本音でぶつけ合い、気づきを得られるようになった。「どこかで自分が一番分かっているみたいなプライド、おごりが多分あった。自分を最後は信じるということが大事とはいえ、自分しか信じられないとうところはもろさなのかなと。自分を信じることができることはいいことだけど、自分しか信じられないというのはまた違うのかなと」と口にした。

 「喜ぶところと喜べないところが、はっきりした感じのシーズンだった」と振り返った一年だった。20年から取り組んできたスイング改造には手応えを得ており、技術面の進化には確信を持っている。来年は改革第2章を迎える。「試合の中でのゲーム運びや、些細な状況判断をもっとレベルアップしたい。この1年間、自分なりにありとあらゆる方法を試したけど、なかなか試合でうまくいかない」と言い、「やるしかないっていう感じ」と危機感をにじませた。

 来季の米ツアー出場権を懸けた2次予選会は通過ラインに2打及ばない通算5アンダーの18位で最終予選会に進めなかったが、「もういつでもチャレンジしたい」と、来年の再挑戦を明言した。