12月25日、『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の大…
12月25日、『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の大会3日目は男子のシード校が登場。昨年準優勝の福岡大学附属大濠高校(福岡県)は日本航空高校(山梨県)との初戦に臨み、最終スコア88−64で勝利を収めた。
「(トーナメントの)最初の試合というのはチーム力が大事だと思っています。今日もいかにチームとして流れに乗るかが大事だと思ったので最初から気合いを入れて臨みました」
重要な初戦で、両チーム最多タイの得点を挙げたのはゲームキャプテンの湧川裕斗(3年)。チームは第1クォーターを4点リードで終えると、次の20分間で33−15と突き放し、最後まで試合を優位に進めた。
「立ち上がりからいいディフェンスはできていたので、そのディフェンスからトランジションを出せば点数も離れてくるという話をしました。なので、コートに立つ選手たちはそれを信じてプレーした結果、点差も離すことができたと思います」
第1クォーター終了時のベンチの様子を明かした湧川は、第2クォーターだけで15得点を挙げてチームに勢いを注入。「自分の3ポイントを止めにくることはわかっていたので、それを利用して逆にドライブから周りとの合わせ、自分のレイアップで得点を取ることができてよかったです。ディフェンスから走って、ノーマークのシュートを決めることができたから自分の得点も伸びたのかなと思ってます 」と、2本の3ポイントシュートに加え、2ポイントでもスコアを積み上げた。
今年はチームの地元・福岡県で開催されたインターハイでベスト4。夏は悔しい結果に終わったが、9月に開幕したU18日清食品トップリーグ2024」では初優勝を果たした。1年の集大成となるウインターカップに向けては、「チーム力」を高めてきたと湧川は言う。
「もちろん個の部分も磨いてきました。けど、一人ひとり得意なこと、苦手なことがある中で、それぞれがチームでの役割を発揮することが大事ですし、ディフェンスに関しては本当にチームで守らないと相手を守り切ることができないので、3年生が中心になってチーム力を上げることを頑張ってきました」
湧川が得意なことーー。それは、「プレーで引っ張っていくこと」だ。
「『13番』という伝統のある番号をいただいているので、しっかりとその自覚を持ってチームを勝利に導くようなプレー、キャプテンになりたいなと思っています」
日本一を渇望する福大大濠のエースガードは、「得意の3ポイントでチームを波に乗せることもそうですけど、周りを生かすプレーメークでも引っ張っていきたいです」と意気込む。
明日の試合はメインコート行きをかけて前橋育英高校(群馬県)と対戦。日本一に辿り着くまで、残り4試合。湧川裕斗はチームのために、頼もしい背中を見せ続ける。
文=小沼克年