「春の高校バレー」として来年1月5日開幕する「ジャパネット杯第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞など主催)に、神奈川県からは男女4校が出場する。男子は2年連続21度目の橘と2年ぶり5度目の慶応。女子は3年連続4度目の横浜…

「春の高校バレー」として来年1月5日開幕する「ジャパネット杯第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(産経新聞など主催)に、神奈川県からは男女4校が出場する。男子は2年連続21度目の橘と2年ぶり5度目の慶応。女子は3年連続4度目の横浜隼人と3年ぶり16度目の大和南。平成5年の釜利谷(男子)以来となる県勢の優勝なるか。

最高の舞台でリベンジを 前回8強の橘

リベロの福本主将を中心とした堅い守備が武器のチーム。全員で必死にボールをつないで、素早い展開で地道に得点を積み重ねるバレーが持ち味だ。

春高の舞台に向けては攻撃面での上積みを目指し、相手の予想がつかない新たな攻撃パターンを増やす取り組みも進めている。大野監督は「レシーブの部分は安心してみられる。だからこそ、どういう攻撃をするか。そこにこだわって今やっている」と話す。

初戦の相手は清風(大阪)。高さでは劣るところがあるが、県予選の決勝でも長身選手がそろった慶応を退けており、イメージは同様だ。福本主将は「我慢強く戦えればいい」と苦にしてはいない。

前回大会は準々決勝で駿台学園(東京)に敗れた。今大会の目標について、福本主将は「前回を超えたい」と強調する。4強まで勝ち進めば、駿台学園と再戦の可能性もある。最高の舞台でリベンジを果たしたい。

目指すは8強 レシーブ磨く 慶応

高さを生かした攻撃力を武器に、ブロックでも強さを見せるチーム。ポテンシャルの高かった選手らが、全国高校総体に出場するなどして経験値を積み重ね、たくましさを身に着けてきた。

今、さらなる進化を目指して取り組むのがレシーブだ。渡辺監督は「ブロックで今まで勝ってきた。ブロックが機能しなかったときに、レシーブが上がらないようでは話にならない」と言葉に力を込める。徐々にボールは上がるようになり、攻撃にもスピード感が出るようになった。「よくなっている。力はついてきている」と、指揮官は手応えを口にする。

初戦で対戦する高知商について、本田選手は「多彩な攻撃をやってくる。絶対に気は抜けないなと思う」と表情を引き締める。8強入りを意識しながらも、1戦1戦着実に勝利を積み重ねていく。

8強以上が目標 世界ユースのエース擁する横浜隼人

下級生が主体の若いチーム。今夏の全国高校総体は出場を逃したため、春高が初めての大舞台となる。年明けに向け、筋力トレーニングに力を入れている。

佐藤監督は「東京体育館の雰囲気に飲まれさえしなければ、怖いもの知らずの勢いを見せてくれるはず」と期待を語る。序盤からエンジン全開で波に乗れるかどうかがカギとみる。

攻撃の軸となるのは、今夏の世界ユース選手権の日本代表に選ばれたエース、マクアリスター選手。対角で組む佐々木選手、県予選で活躍したセッター瀧沢選手の両1年選手からも目が離せない。

「どんなに苦しい場面でも明るくプレーできるのがチームの持ち味」だと、三沢主将。モットーの全員バレーの真価を発揮し、前回大会で先輩たちがつかんだ8強より上へ、と意気込む。

初戦の相手は首里(沖縄)。三沢主将は「支えてくれる人たちに感謝し、全力でプレーを」と誓う。

悲願の春高1勝を 大和南

レギュラーは全員が3年生。それだけに橋本主将は「春高の大舞台に立てるのはこれが最初で最後。県代表として1つでも多く勝ち星を残し、応援してくれる方々に恩返ししたい」と気合を込める。

攻撃の引き出しが多い佐藤、橋本両選手を、セッター山本選手が堅実なトス回しで支える。しかし県予選の決勝では、序盤で先行しながら逆転を許してしまう展開が続いた。

それを教訓に予選後は、試合中盤以降のあらゆる場面を想定した攻撃パターンの工夫に余念がない。さらに、強みであるレシーブ力のレベルアップも図り「相手に隙を見せず、こちらのペースに持ち込みたい」(高橋監督)と狙う。

初戦の相手が今夏の全国高校総体で敗れた鹿児島実に決まり、リベンジに向け燃えている。チームの合言葉「感動するバレー」で、悲願の春高1勝を目指す。