▽全日本選手権 男子SP(12月20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム) 11年ぶり出場の37歳、織田信成(大阪スケート倶楽部)は「マツケンサンバ」を演じ、84・53点をマークし、5位発進。目標としていた4回転トウループを決めて会場を湧かせた…
▽全日本選手権 男子SP(12月20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)
11年ぶり出場の37歳、織田信成(大阪スケート倶楽部)は「マツケンサンバ」を演じ、84・53点をマークし、5位発進。目標としていた4回転トウループを決めて会場を湧かせた。「キスアンドクライはクライアンドクライになるかも」と前日の予告通り、感極まって号泣。感動の舞となった。織田の主な一問一答は以下の通り。
―クライアンドクライになった
「そうですね。家族も見に来てましたし、大阪から本当にたくさんの友達とかもみんな応援にも来てくれてたし、やっぱ何よりやっぱり37歳でショートから4回転決めるぞ!っていう気持ちで今回は臨んでたので、それが成功できてすごいうれしかったです」
―久しぶりの全日本の歓声
「歓声がすごく力になって、今日は皆さんのこの笑顔で手拍子してくださる姿が目に映りながらジャンプを跳ぶことができたので。本当にたくさん手拍子いただいて感謝ですし、それがすごく力になりました」
―衣装チェンジ、腕の部分が少しうまくいかなかった
「今日ちょっと朝の練習で、1回ちょっと練習をサボってしまったので、取る。そのつけがちょっと回ってしまったかなと思ったんですけど、でもなんとかうまくいって」
―フリーへ
「フリーも同様に4回転ジャンプに挑戦するので、しっかり決めたいっていうのと、やっぱり本当に若い選手たち、もっともっとレベルの高いグループに来ると思うので、若い子たちのいいところを吸収しつつ、自分もその素晴らしさに負けないように頑張りたいと思います」
―涙も。終わった瞬間の率直な気持ち
「4回転ジャンプを絶対決めたい、ショートもノーミスでやりたいっていう、この皆さんが見てくださる場で、すごい思いをやっぱり自分に強くかけて、自分自身でプレッシャーを与えながらやってて。やっぱり終わった後はちょっとやっぱり安心感というか、それから解放された思いっていうので、ちょっと感極まってしまいました」
「今までこの現役、復帰してからの2年間、自分がやってきた練習っていうのをこの2分50秒でしっかり出せたと思うので、そこはすごくうれしいです」
―織田さんの演技で会場の雰囲気が一気に変わった
「やっぱり僕も37歳ですし、この若い子、選手たちのような回転の速いジャンプとか、スピンとか、そういう体力、具体的にキレのある動きっていうのはなかなかできないんですけど、でもフィギュアスケートは技術だけじゃなくて芸術も争うスポーツで。やっぱり芸術っていうのは僕の場合、氷の上でやっぱり自分がしっかり楽しむ、それをお客さんが楽しんでくれるっていうのが僕の1個目指すフィギュアスケートのスタイルなので。若い子の選手たちも今は技術の練習頑張って、技術の練習しっかり上げて、そこからまた自分なりの芸術というか、自分なりのフィギュアスケートの楽しみ方みたいなのを見つけてくれたら」
―西日本の時に「フィギュアは楽しくやるのもいいだよ」と伝えたいと話していた
「そうですね。6分間からすごく落ち着いて練習できてて。周りを見る余裕とかも結構あったので、そういう意味では今日は思いっきり表情も作って、自分のスケート楽しめたかなと思いますし、見てる方も楽しんでくれたんじゃないかなと思います」
―衣装チェンジ
「ちょっと開いてくれよ~と思いながら。なんでこんな全日本であかへんの!みたいな感じで、もうずっと引っ張ってたんですけど。なんとかできて、なんかそれも含めてなんか楽しんでいただけたようなので、結果オーライかなと思います」
―家族の姿、見つけることはできた?
「探してたんですけど、結構子供もいて、上の方で見てたので、見てるかな?と思いながら。やっぱり日頃、子供たちが学校行く前に練習に行ってたりとか、普段自分がどういうふうに一日過ごしてるとか全然知らないと思うので、子供たちは。なんかこういうのを頑張ってたんだよっていうのを伝えれたかなと思います」
―何かメッセージは?
「今日会場来る前に家族からみんなで『頑張ってね!』っていうメッセージもらって、『頑張るわ!』って言って。妻からは『もうこれで最後やし思いっきり楽しんで』っていうふうに声をかけてもらって、本当にしっかり楽しめたんじゃないかなと思います」
―母とも涙
「そうですね。1回目の現役の時も、2回目の現役の時も、ずっと練習に付き合って見てくれて。演技向かう前は、ほんまにもうみんなこういう言葉を、『ほんま、もう楽しんで思いっきり。別にここで失敗しても失敗しまいが全然関係ないから。でも、大事なのはあなたが楽しむことよ』って。『自分のスケートを精一杯楽しんできなさい』っていう言葉を胸にしっかり楽しめたので、感謝を伝えつつ、『楽しかった』っていうふうに伝えました」
―どのくらいから感極まっていた?
「いや、もう結構やった~!ってキスアンドクライに戻る前に、もうだいぶ感極まってました」
―どういったものがこみ上げてきた?
「やっぱりこの2年間、体が苦しいながらも4回転ジャンプに挑戦してきて、やっぱこの1番注目度の高い全日本選手権という場で決めないと、やっぱやってきた意味がないっていうふうに自分にプレッシャーもかけて、それでしっかり試合に臨むことができて、そこからやっぱり緊張感からちょっと解放された安心感みたいな部分もあって、ちょっと感極まってしまったかなと思います」
―年齢は自分にとってどんなもの?
「この大会に向かう前にフジテレビさんになんか一言書いてくださいって言われた時に、やっぱ年齢はただの数字だというふうに。自分も思ってるし、そう言い聞かせることで本当にそうなんだと。年を取ったからといってできないことはないっていうふうに言い聞かせてやってきたので、本当にそれを証明するために、今日はちょっと1歩近づけたんじゃないかなと自分でも思います」
―採点は違う部分があるが、11年前のSPより高い点数
「ほんとにソチオリンピックの選考がかかった全日本選手権のショート、もっと頭が真っ白で、もう4回転跳ぶ前に気絶して倒れるんちゃうかっていうぐらい緊張してたんですけど。今日はもうなんか、よっしゃ跳ぶぞ!っていう気持ちで、強い気持ちで、臨むことができて。最初の初速から『おっしゃ、これはいける!』っていう感じのスピードでいけたので。そこはやっぱり11年前と大きく変わったところ、自分のスケートを、もちろん今トップで争ってないっていうのはあるかもしれないですけど、この11年経って、自分なりのスケートの向き合い方だったり、楽しみ方っていうのが生きたかなと思います」
―上位でフリー迎える
「いや、もうこの大会に行くまではもう入賞したいっていう、8位までに入りたいっていう気持ちなので、やっぱりそれをしっかり達成できるようにフリーも頑張りたいと思います」