大相撲の元大関小錦でタレントとして活動するKONISHIKI(60)が、腎臓疾患により妻・千絵さん(48)から腎臓提供を受け、4日に6時間に及ぶ移植手術をしていたことが23日、明らかになった。術後の経過は良好で、同日に鎌倉市の湘南鎌倉総合…

 大相撲の元大関小錦でタレントとして活動するKONISHIKI(60)が、腎臓疾患により妻・千絵さん(48)から腎臓提供を受け、4日に6時間に及ぶ移植手術をしていたことが23日、明らかになった。術後の経過は良好で、同日に鎌倉市の湘南鎌倉総合病院を退院。同病院内で会見を開き、腎臓移植手術を決断するまでの経緯や、これからの目標を語った。

 最愛の千絵夫人から腎臓提供を受け、移植手術に成功したKONISHIKIは術後の経過も良好な様子。サンタの衣装で登場した退院会見では、ハキハキとした口調で回復ぶりをアピールした。

 「皆さん、メリークリスマス。嫁の腎臓をもらって、コニちゃんが99・9歳まで生きることができることを知ってもらいたい」

 現役時代には超重量力士として活躍したが、引退後は08年に胃を縮小する手術を受け、100キロ近く体重を落とした。しかし、その後はリバウンド。ダイエットに悩む間に8年前から腎機能が弱まり、米国に滞在していた今年の6月にはさらに悪化した。医師から「飛行機に乗ったら死ぬよ」と言われ、シカゴで10日間も入院した。

 現在は海外に相撲の普及活動を行う仕事柄、人工透析は治療の選択肢に入らなかった。17年に末期腎不全のため、夫婦間での腎臓移植手術を受けた武蔵川親方(元横綱武蔵丸)の例もあり、千絵夫人はドナーとなる心づもりができていた。「嫁の腎臓をもらうのが、なかなか受け入れられなくて」と葛藤もあった。だが夫人が背中を押し続け、今回手術に踏み切った。

 新たな目標もできた。大柄な体を作るための代償として、内臓に疾患を抱える力士は多い。小錦の交友関係では錦戸親方(元関脇水戸泉)や武蔵川親方が苦しんだ。透析だけではなく、その後の日常生活を考えて移植という選択肢があることを伝えたい。「今回は(移植手術の)アンバサダーになったつもり。苦しんでいる日本全国の皆さんのライフスタイルが、少しでも元に戻れば」と力を込めた。

 ◆KONISHIKI 本名・小錦八十吉。1963年12月31日生まれ、ハワイ州ホノルル出身。現役時代の高見山(のち東関親方)にスカウトされ、82年7月に高砂部屋に入門して初土俵を踏む。圧倒的なパワーを武器に番付を駆け上がり、84年7月に新入幕。翌9月の蔵前国技館最後の場所で優勝争いを演じ、一躍ホープとして注目を集める。その後はヒザのケガで苦しんだが、87年5月に史上初の外国出身大関に昇進した。大関在位39場所、幕内優勝3回を記録して97年11月に現役引退。一時は年寄・佐ノ山を襲名したが、98年7月に相撲協会を退職してタレントに転身した。