冬の京都・都大路を駆ける全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)が22日あり、男女ともに県代表として仙台育英、東北地区代表として東北が出場した。3年ぶりの優勝を目指した仙台育英の女子は、最終区で細川あおい主将が追い上げを見せたが準…

 冬の京都・都大路を駆ける全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)が22日あり、男女ともに県代表として仙台育英、東北地区代表として東北が出場した。3年ぶりの優勝を目指した仙台育英の女子は、最終区で細川あおい主将が追い上げを見せたが準優勝だった。男子は3位で、3年ぶりの表彰台入りとなった。

 地区代表として、初の男女同時出場を果たした東北は、男子が12位、女子は35位だった。(岸めぐみ)

 3年ぶりの優勝を目指した仙台育英の女子(5区間、21・0975キロ)。各校のエースが集う最長6キロの1区は、長岡みさき選手(3年)がトップと5秒差の区間3位と好走。4区の手塚蕾選手(2年)は区間賞の快走で、3位でアンカーの細川あおい主将(3年)にたすきをつないだ。

 細川主将は、中継地点では21秒差があった大阪薫英女学院を追い抜き、残り約1.5キロ地点で2位に浮上。そのまま前を追い続け1位と18秒差まで縮めたが、あと一歩及ばなかった。

 優勝は逃したものの、8年連続の表彰台入りを果たした。釜石慶太監督(37)は「日本一を取れなかった悔しさはあるが、生徒たちの取り組みはすばらしかった。3~5区でよく追い上げてくれた」と振り返った。

 仙台育英の男子(7区間、42.195キロ)は、1区で近江亮選手(2年)が他選手と接触して転倒するアクシデントがあった。14位と出遅れたが、2区のエリウッド・カヒガ選手(3年)、3区の鈴木大翔選手(2年)の力走で巻き返す。4区では菅野元太選手(2年)がトップでたすきをつないだ。その後は順位を落としたが、大崩れすることなく最終7区まで3位を維持した。

 就任3年目の千葉裕司監督(37)はレース後、涙を流す選手たちを見て「3位で悔しいと感じるようになっているのは成長。よくがんばったと言ってあげたい」と話した。(岸めぐみ)

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 「前を抜けるのは自分しかいない」。トップと31秒差でたすきを受け取った細川あおい主将(3年)は、最後まであきらめず、気迫の走りを見せた。

 3度目となる都大路。主将として過ごしたこの1年は順風満帆ではなかった。これまで、自分の走りのみに集中して練習してきたが、主将になりチーム全体を見渡しながら取り組むことを意識すると、なぜか思うように走ることができなくなった。夏のインターハイでは3年間で一番遅いタイムを記録し、悔しさがこみ上げた。それでも、監督やチームメートの前向きな言葉に支えられながら、本来の走りを取り戻した。

 1年の時もアンカーを任されたが、長野東に抜かされ2位に終わった。「今回は自分が追い抜こう」と猛追で、トップとの差を10秒以上縮めた。区間2位の力走だった。

 ゴール後はタオルで顔を覆って号泣。「5区を任せてもらったのに申し訳ない」と涙が止まらなかった。釜石監督は「この3年間の彼女の思いがすべてこもったよい走りだった」とたたえた。

 卒業後も陸上を続けるつもりだ。「優勝できなかった分、次のステージは優勝できるように、この悔しさを忘れずに頑張っていきたい」と涙をこらえながら話した。(岸めぐみ)