◆第61回全国大学ラグビー選手権大会▽準々決勝 京産大59―12大東大(22日・三重交通G) 準々決勝2試合が行われ、初優勝を狙う京産大(関西2位)は計9トライで、大東大(関東リーグ戦1位)に59―12と大勝した。試合地・三重出身のフッカー…

◆第61回全国大学ラグビー選手権大会▽準々決勝 京産大59―12大東大(22日・三重交通G)

 準々決勝2試合が行われ、初優勝を狙う京産大(関西2位)は計9トライで、大東大(関東リーグ戦1位)に59―12と大勝した。試合地・三重出身のフッカー平野叶苑(かえん、4年)は、チーム唯一の2トライでけん引。4大会連続11度目の4強進出を決め、過去10度敗退の鬼門・準決勝(来年1月2日)に臨む。4大会ぶりVを目指した天理大は、明大に21―24と惜敗。準決勝は帝京大―明大、京産大―早大の顔合わせとなった。

 故郷・三重で勝利をたぐり寄せた。京産大・平野叶は14―0の前半20分、モールからインゴールになだれ込んでトライ。接触プレーによる頭部出血で一時退場も、医療用ホチキスで止血してピッチに復帰し、後半4分に自身2トライ目を挙げた。「特にこの試合はセットプレーで前に出たいと話していた。FW、チームでこだわった」とスタメンに大柄な留学生選手3人ずつを擁するチーム同士の対決で、大東大をねじ伏せた。

 特別な試合だった。この日は親族、友人らが現地観戦。3年前の京産大主将で、リーグワン1部・三重の兄・叶翔(かなと、24)は「頑張っているのは知っているので良かった」と弟を誇らしげに見つめた。愛知・西陵高時代に花園出場なしの背番号2は、地元開催の全国の舞台で躍動し「格別でした。僕のラグビーが始まった場所に選手権で帰ってこられて幸せ」と込み上げる思いをかみ締めた。

 準決勝はチーム初の決勝進出を懸け、早大とぶつかる。3大会連続の対戦で通算3勝10敗。前回は準々決勝で勝利も、FB辻野隼大共同主将(4年)は「相手は対抗戦の王者で高い壁。チャレンジするだけ」。先輩らが過去10度はね返されてきた鬼門・準決勝へ「壁は越えます」と宣言した。勢いそのままに新たな歴史を刻む。(森口 登生)