2025年はダルい男になる!? ソフトバンク海野隆司捕手(27)が22日、「ポスト甲斐」に名乗りを上げた。チームの顔だった甲斐拓也捕手(32)がFAで巨人入りを決断。絶対的な司令塔が流出したが、海野には正捕手奪取への大チャンスが巡ってきた。…
2025年はダルい男になる!? ソフトバンク海野隆司捕手(27)が22日、「ポスト甲斐」に名乗りを上げた。チームの顔だった甲斐拓也捕手(32)がFAで巨人入りを決断。絶対的な司令塔が流出したが、海野には正捕手奪取への大チャンスが巡ってきた。課題の攻撃力向上に向け、相手からいやがられる打席でのしつこさを会得。嶺井博希(33)、谷川原健太(27)、渡辺陸(24)らとのレギュラー争いを制してみせる。
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自主練習を終えた海野の表情が、現状を物語っていた。17日にFAで甲斐が巨人入りを決断。熾烈なポスト甲斐争いが始まることは、百も承知だ。そ
の競争を勝ち抜くための秘策を「ダルいバッターになりたい」と明かした。
今季は2番手捕手として台頭。102試合の甲斐に次いで、38試合で先発マスクを被った。途中出場を含めた51試合はキャリアハイだ。ブロッキング、スローイングには定評があるが、打率1割7分3厘、2本塁打、10打点の打撃が課題。弱点克服へ、今オフは打撃改造に着手する。理想のスタイルに、チームの先輩の名を挙げた。
「今宮さんのように渋いっていうか。今年1年間を見て、今宮さんの働きはキャッチャーとしても嫌。自分も嫌らしく、たかが8番、9番打者じゃなくて、ダルいバッターになりたい」と説明。容易に打ち取ることができず、相手捕手を「ダルい…」と困惑させるイヤらしさを会得する。来年1月から今宮の自主トレにも参加。「ずっとファウルで粘って四球を取って、長打は捨ててっていうか(相手から見て)イヤな選手になる」と理想像へ突き進む。
甲斐の思いも受け継ぐ。移籍決定後に食事する機会があり、激励された。「4年間一緒にプレーしてずっと見てきたので。ほんとうにすごいキャッチャーです」と尊敬する絶対的司令塔がチームを去る来季。新たな司令塔へのビッグチャンスをつかむ。【佐藤究】
○…谷川原は「打てる捕手」として甲斐の後釜を狙う。今季は持ち味でもあった内外野を守るユーティリティーぶりを封印。捕手一本にこだわり、ウエスタン・リーグで74試合に出場した。1軍では4試合で打率4割4分4厘、2打点に終わったものの、2軍で経験を積み「今年は基礎を作った分、来年は一気にいきたい。開幕スタメンを狙っていきたい」とプロ10年目の来季へ目の色を変えている。
○…ベテラン嶺井は再起を期す。今季の1軍出場は自己ワーストの4試合に終わり「試合に出て『なんぼだ』っていうことを痛感した」と悔しさを募らせる。現状、ホークス捕手陣で最年長の33歳。「もっと自分の力で1軍(の出場機会)を切り開いていけるように」と巻き返しを図る。22年オフにDeNAからFAで加入。経験、実績は十分で、このまま若手に出場機会を譲るつもりはない。
○…強肩強打が持ち味の渡辺も、正捕手争いに割って入る。今季は2年連続1軍出場ゼロに終わるも、22年は20試合出場で3本塁打を放つなど潜在能力は高く、伸び代は十分。「1軍で試合に出ないと、いる意味もないというか。具体的な数字よりも、とにかく打つだけです」と鼻息は荒い。オフには一般女性との結婚を発表。伴侶を得て、25年こそブレークを果たす。