その年を締めくくる名物レース。コーナーを6回まわるトリッキーなコース形態に加えて、暮れの押し迫った時期に行われることから波乱や世代交代など数々のドラマの舞台となってきたレースだ。過去10年間で1番人気馬は[5-1-1-3]で、3番人気以…

 その年を締めくくる名物レース。コーナーを6回まわるトリッキーなコース形態に加えて、暮れの押し迫った時期に行われることから波乱や世代交代など数々のドラマの舞台となってきたレースだ。過去10年間で1番人気馬は[5-1-1-3]で、3番人気以内馬は[8-3-6-13]。上がり最速馬は[3-3-0-6]。良いポジショニングから長く良い脚を使える馬が有利にレースを運べそうだ。

 ◎ダノンデサイルは今春のダービー馬。前走の菊花賞は日本ダービー以来のレースで馬体重18kg増。上手く先行できたが、インコースで我慢しているうちにポジションを下げざるを得ないような形になって4角15番手。そこから大外に持ち出されて、出走メンバー中2位となる35.5秒の末脚で追い込んだが、0.7秒差6着。日本ダービーでは、皐月賞馬ジャスティンミラノ、ジャパンC2着(2着同着)シンエンペラー相手に完璧な勝利を収め、昨年の京都2歳Sは最後の直線で待たされるようなシーンがあって残り100mだけの競馬で0.1秒差4着。菊花賞の1戦だけで評価を下げることはできない。

 〇アーバンシックは菊花賞馬。2歳の頃は荒削りな面を残していたが、京成杯では、勝ったダノンデサイルを上回る上がりタイムを記録し、レコード決着となった皐月賞でも、大外をまわりながら0.4秒差4着まで押し上げた。秋2戦は、強靭な末脚はそのままに心身の成長を感じさせるレースぶりで2連勝。とくに出入りの激しい競馬となった菊花賞で、しっかりと自分のペースを守ることが出来たのは印象的だった。引き続きルメール騎手が手綱を取るのも心強い。

 ▲ローシャムパークは今春の大阪杯2着で、遠征した米国BCターフ2着。この時は最後方待機から、海外の芝G1競走を7勝しているレベルスロマンスをクビ差まで追い詰めている。昨年夏の函館記念で重賞初勝利、オールカマーでは逃げたタイトルホルダーをねじ伏せた。トビが大きく、長く良い脚を使えるタイプ。やや力むタイプだけに道中の折り合いが鍵となりそうだがT.マーカンド騎手の手腕にも期待したい。

 △プログノーシスは豪州コックスプレート2着馬。スピード色の濃いファミリーだけに距離に不安は残るが、3度の香港遠征ではうち2回ロマンチックウォリアーの2着して高い能力を示している。

 ほかでは春シーズンとはいえ日経賞、目黒記念を連勝し、休み明けのジャパンCを使われた△シュトルーヴェと昨年2着の△スターズオンアース。そして、前走のエリザベス女王杯は最後の直線で致命的な不利を受けた△レガレイラを押さえておきたい。