<ラグビー・リーグワン1部:埼玉33-12東京SG>◇第1節◇21日◇東京・味の素スタジアム◇観衆2万263人3季ぶり優勝を目指す昨季2位の埼玉が白星発進を決めた。5トライで同3位の東京SGを33-12で破り、3トライ差以上のボーナス勝ち点…
<ラグビー・リーグワン1部:埼玉33-12東京SG>◇第1節◇21日◇東京・味の素スタジアム◇観衆2万263人
3季ぶり優勝を目指す昨季2位の埼玉が白星発進を決めた。5トライで同3位の東京SGを33-12で破り、3トライ差以上のボーナス勝ち点も獲得した。先発した「山沢兄弟」が攻撃をけん引。FBの兄拓也(30)とSOの弟京平(26)が、ダブル司令塔としてチャンスを量産した。守りでは、昨季2月以来の先発となったプロップ稲垣啓太(34)を中心に体を張った。23年W杯代表の2人が去ったチームが、日本一へ突き進む。
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4季目の開幕戦で「山沢兄弟」がいきなり魅せた。0-0の前半11分。弟の山沢京がボールを持ち、前へ進むと見せかけて停止。「コミュニケーションはなかった。ジャストで兄貴が入ってきてくれた。さすがだな、と」。左後方から走り込んだ兄の山沢拓へパスし、中央を突破。相手の反則で止められたが、PGを獲得した。弟が正面約10メートルから右足で決めた。兄弟ならではの連係で、今季チーム初得点をマークした。さらに38分には弟が左大外へ、後半30分には兄が右大外へ、それぞれロングパスでトライを演出。2人の司令塔が勝利を呼び込んだ。
昨季は16戦全勝と実力を示したが、プレーオフで敗戦。1敗に泣き、頂点を逃した。雪辱を期す今季は主軸2人がチームを去った。W杯4大会出場の堀江翔太が昨季限りで現役引退。SO松田力也がトヨタへ移籍した。しかし初戦にして、その穴を山沢京が埋めた。大学以来というSO先発を堂々と務め、兄から「安心して見られた」と高評価を受けた。
初戦で勝ち点5を獲得し、最高のスタートを切った。弟は「本当にうれしい。ほっとしている」と顔をほころばせた。ただ、自身のプレーは100点満点で「15点」と厳しめ。キックは1本の成功にとどまり、前半36分にはトライ寸前でボールをこぼしたプレーを反省。貪欲にチームをけん引する姿勢を見せた。「チームとして優勝したいのは大前提」。兄弟で、3季ぶりの頂に到達する。【飯岡大暉】
○…稲垣が約11カ月ぶりの先発復帰を果たした。負傷のため、昨季2月4日を最後に実戦から遠ざかっていたが「フィールドに戻れて素晴らしかった」と振り返った。「自分の役割、やるべきエリアは決まっている。そこでずっと機械的に同じことをやり続けるだけ」とタックルを繰り返した。「余計な事は喋らない」とポリシーを貫くが、若手にプレーで見本を示した。