「ボクシング・全日本新人王決定戦」(21日、後楽園ホール) 12階級で決勝が行われ、12人の全日本新人王が決定した。MVPにはスーパーバンタム級の山本愛翔(18)=カシミ=、技能賞にはスーパーフライ級の村田碧(20)=松田=、敢闘賞にスー…
「ボクシング・全日本新人王決定戦」(21日、後楽園ホール)
12階級で決勝が行われ、12人の全日本新人王が決定した。MVPにはスーパーバンタム級の山本愛翔(18)=カシミ=、技能賞にはスーパーフライ級の村田碧(20)=松田=、敢闘賞にスーパーフェザー級の梶野翔太(19)=角海老宝石=が選ばれた。
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この日最年少、18歳の山本が、この日最短の54秒という衝撃的なKO劇を見せた。1回、矢野円来(23)=花形=から左フックで先制ダウンを奪い、左フックでトドメ。矢野は後ろにバッタリと倒れ、レフェリーが即座に試合を止めた。
プロ6戦目で初のKO勝ちを決めた山本は「今はもう、ボクシング最高です!」と歓喜。「しっかり対策して練習してきたパンチを、しっかり出せた。しっかり見て、そこに合わせることができた。キレイに入った」と振り返った。
石川県七尾市出身。格闘技好きの父の影響で小1から空手、小5からボクシングを始め、1年ほどでボクシング一本に。地元の練習環境には限界があるため、金沢市の高校に進学し、金沢市内のアパートで1人暮らししながらボクシングに打ち込んできた。
元日の能登半島地震では、実家も断水が続く被害を受けた。山本も水を運んだり、両親を金沢のアパートに呼んで入浴してもらったりするなど実家を支援。カシミジムの被災地支援活動にも参加した。この日は両親をはじめ、地元の人々が応援に駆けつけており、山本は「勝利で(被災地に)元気を出してもらえればうれしい」という思いを胸に秘めて、リングに上がっている。
憧れの存在はジムの先輩・英洸貴で、英はこの日が誕生日である上、来年1月18日には中野幹士の東洋太平洋フェザー級王座に挑戦するため、山本は「しっかりプレゼントできて、バトンをつなげられて良かった」と笑顔を見せた。
また、「大きい目標で憧れ」なのが井上尚弥だ。2018年に尚弥がカシミジムの興行でジェネシス・セルバニアを相手に公開スパーリングを披露した際に対面。「ボクシングをやっています」と自己紹介した山本を、尚弥は「頑張ってください」と激励したという。山本は「世界チャンピオンが一番の目標。そのためにも徐々に勝ち上がっていきたい」と誓った。
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各階級の結果は次の通り。
◇ミニマム級5回戦 【東】杉浦義(22)=協栄= 判定3-0 【西】丸山勇人(29)=姫路木下=
◇ライトフライ級5回戦 【西】寺下列(20)=エスペランサ= 判定2-1 【東】早坂峻(20)=横浜光=
◇フライ級5回戦 【東】佐野篤希(21)=伴流= 判定2-1 【西】広田一誠(22)=モリシタ=
◇スーパーフライ級5回戦 【西】村田碧(20)=松田= TKO4回8秒 【東】高橋秀太(23)=角海老宝石=
◇バンタム級5回戦 【東】西屋香佑(23)=横浜光= 判定2-1 【西】宮下椋至(23)=JM加古川拳=
◇スーパーバンタム級4回戦 【西】山本愛翔(18)=カシミ= TKO1回54秒 【東】矢野円来(23)=花形=
◇フェザー級5回戦 【東】北本慶伍(27)=三迫= 判定3-0 【西】友良瑠偉斗(22)=真正=
◇スーパーフェザー級4回戦 【東】梶野翔太(19)=角海老宝石= TKO4回36秒 【西】瀬川欧太郎(19)=石川=
◇ライト級4回戦 【東】本多俊介(24)=E&Jカシアス= TKO3回1分7秒 【西】堤啓至(21)=FUKUOKA=
◇スーパーライト級4回戦 【西】田下翔太(23)=仲里= TKO3回1分50秒 【東】シャオリン孝司(33)=協栄=
◇ウエルター級5回戦 【西】住田琉斗(21)=千里馬神戸= 判定3-0 【東】福永啄巳(24)=青木=
◇ミドル級4回戦 【東】吉野健治(24)=角海老宝石= TKO1回1分49秒 【西】永田雅樹(25)=井岡弘樹=