<バスケットボールBリーグ1部(B1):宇都宮83-85名古屋D>◇21日◇第14節◇日環アリーナ栃木宇都宮ブレックスが次につながる粘りを見せた。第4クオーター(Q)残り58秒、76-85で点差は9点。勝負をあきらめてもおかしくない状況から…
<バスケットボールBリーグ1部(B1):宇都宮83-85名古屋D>◇21日◇第14節◇日環アリーナ栃木
宇都宮ブレックスが次につながる粘りを見せた。
第4クオーター(Q)残り58秒、76-85で点差は9点。勝負をあきらめてもおかしくない状況から、最後のギアを入れた。竹内公輔がオフェンスリバウンドに飛び込み、こぼれ球をねじ込む。遠藤祐亮のスチールから比江島慎がドライブで持ち込みレイアップを決めると、遠藤の3点シュートがゴールに吸い込まれた。およそ40秒の間に7連続得点を決め、2点差までに詰め寄った。
「40分間激しくやりきる試合ができない事も多かったし、ホームでたくさんのお客さんがいるなかで、あきらめるわけにはいかなかった」(遠藤)
逆転の3点シュートを狙った比江島がブロックされ、奇跡の大逆転勝利とはならなかった。しかし、主催試合では今シーズン最多の5741人で埋まった日環アリーナ栃木は、最後まであきらめずに戦った選手たちに大きな拍手を送った。
一方で、内容としては完敗に近かった。名古屋Dの激しい守備、高さにてこずった。特にターンオーバーは16を数え、そこからの失点が20。名古屋Dが得意とする積極的かつ攻撃的な守備に、まんまとやられた。
「能力の高い選手がそろっているし、ケガ人も戻ってきてフルメンバーなら怖い相手。選手はファイトしたし、勝つ努力を怠ったわけではないが、これだけターンオーバーが多ければ苦しい試合になる」
ブラスウェル・ヘッドコーチ(HC)は素直に負けを認めた。比江島も「ほぼほぼ相手のペースで進んだ。僕たちのいい時間帯はほとんどなかった」と振り返る。名古屋Dは比江島や司令塔のD.J・ニュービルに2人マークをつけるなど、攻撃の起点を封じにきた。攻撃にアクセントを加えられる鵤誠司が体調不良で欠場した事も響いた。
遠藤のペイントアタック、高島紳司の連続3点シュート成功など、攻撃のバリエーションは増えつつあるが、まだ相手の脅威にまでは至っておらず、より磨きをかけていくしかない。
「ハーフタイムの時にも話をしたが、もっと選手同士で指摘し合い、お互いを信じ切ることができれば、どんなチームにでも勝つことができる」とブラスウェルHC。22日の第2戦は今季のブレックスの真価が問われそうだ。【沢田啓太郎】