インターハイで初優勝を遂げた東山高校(京都府)の瀬川琉久(3年)は、インターハイ後もU18男子日本代表として国際大会に出場し…
インターハイで初優勝を遂げた東山高校(京都府)の瀬川琉久(3年)は、インターハイ後もU18男子日本代表として国際大会に出場したり、トップチームの日本代表候補として合宿に参加したりと、チームを不在にする期間が長かった。もちろん、そのような経験は大きなプラスになっていると言うが、一方で「コーチが変わる分、求められることも違うので、その中で自分の東山でのやるべきことを認識できていなかったというのがあって、それが今までのプレーだったと思います」とも言う。そのため、東山の一員として出場した「U18日清食品トップリーグ」(9月〜11月開催)は苦しんだ。それでも、24得点を挙げた最終戦の開志国際戦では「吹っ切れた」と、ウインターカップに向けては明るい兆しが見えたよう。そのトップリーグでは8チーム中4位と優勝を逃して悔しさを口にしたが、「負けて学ぶことは多いと思います」とも発した。
今年のチームは瀬川がエースであることは間違いない。だが瀬川は、「今年はチーム全員がスコアできるというのが強みだと思っているので、自分だけが行くのではなく、ガードとしてより良い選択をして、最後を勝ち切ることができれば。それが一つの成長だと思っていますし、点を取ることが自分のファーストオプションではあるけれど、セカンドオプションとして周りに(ボールを)預けることも重要だと思っています」と、冷静に語る。
「小学校5年生のときに兄(玲央)が北陸高校(福井県)でウインターカップに出場したのを応援させてもらい、自分もこの舞台で優勝したいなと思っていたので、そういった強い気持ちで東山に入学しました。最初の1年間は全国大会に1回も出ることなく、2年生のときは惜しかったけど優勝はできなかった。本当に日本にいる誰よりもウインターカップで優勝するという気持ちは強いという自信があるので、そういう気持ちを集大成としてコートにぶつけたいと思います」
インターハイ優勝、日本代表候補選出など結果を残してきたこの1年。東山の絶対的エースは、自身ラストチャンスとなる冬の戦いにすべてを懸ける。
文=田島早苗