【有馬記念で注目すべき血は?】 12月22日(日)、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。 レース直前に、天皇賞・秋とジャパンCに続く「秋古馬GⅠ」3連勝がかかっていたドウデュースの出走取消が発表され、ファン…
【有馬記念で注目すべき血は?】
12月22日(日)、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。
レース直前に、天皇賞・秋とジャパンCに続く「秋古馬GⅠ」3連勝がかかっていたドウデュースの出走取消が発表され、ファンに激震が走った。それでも、菊花賞馬のアーバンシック、エリザベス女王杯を制したスタニングローズ、宝塚記念を制したブローザホーン、大阪杯を制したベラジオオペラ、日本ダービー馬のダノンデサイルとシャフリヤール、昨年の天皇賞・春を制したジャスティンパレス、昨年のホープフルSを制したレガレイラ、2冠牝馬スターズオンアースと9頭のGⅠ馬が出走。今年1年を締めくくるに相応しい大一番となりそうだ。
今年の日本ダービーを制したダノンデサイル
photo by Sankei Visual
このレースを血統的視点から占ってみよう。有馬記念の血統的傾向として目立つのが、ロベルト系の強さだ。1972年の英ダービーを勝利したロベルトは、後継種牡馬リアルシャダイやブライアンズタイムのほか、孫のシンボリクリスエスやグラスワンダーもその血を広げていて、有馬記念では1994年のナリタブライアン(父ブライアンズタイム)から2021年のエフフォーリア(父エピファネイア)まで、実に9頭が勝利を収めている。
今年出走するロベルト系は2頭で、筆者が上に見たいのはダノンデサイル(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。同馬は父がエピファネイアで、前述のエフフォーリアと同じ。今年のGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)を制した実力馬である。
前走のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)は1番人気に推されたものの6着と敗退。道中は内に入ってゴチャついてしまい位置取りが悪くなったのが痛かった。日本ダービーの4コーナーで4番手にいた馬が、菊花賞では15番手だったので、厳しい競馬になってしまった。
プラス18kgで馬体にも余裕があったと思われるし、今シーズン叩き2戦目となったので、今回間違いなく上積みはあるだろう。中山では今年1月に京成杯を勝利しており、コース適性もある。
前述のとおりロベルト系は有馬記念に強いが、特に3歳馬が好成績を収めている。1994年ナリタブライアン、1995年マヤノトップガン、1997年シルクジャスティス、1998年グラスワンダー、2002年シンボリクリスエス、2021年エフフォーリアと、9戦で6勝を占めている。グラスワンダーはGⅡアルゼンチン共和国杯6着から、シルクジャスティスは菊花賞5着、ジャパンC5着からと敗戦から巻き返した例もあり、ダノンデサイルも同様の道を歩みたいところだ。
【もう1頭の推しもロベルト系】
もう1頭もエピファネイア産駒のブローザホーン(牡5歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)を推す。今年、重馬場のGⅠ宝塚記念(京都・芝2200m)を勝ったため"道悪巧者"と見られているかもしれないが、良馬場のGⅠ天皇賞・春(京都・芝3200m)では4コーナー12番手から上がり3Fメンバー中最速の34秒6の脚で2着に入っている。また、1月に勝ったGⅡ日経新春杯の良馬場のレースで、そこで記録した2分23秒7というタイムは、京都・芝2400mで行なわれた同レースのレースレコードタイとなる好時計だった。
中山・芝2500mでは2戦2勝。トリッキーなコースとして知られるこのコースの実績があるのは心強い。陣営も下半期の目標は早くから有馬記念に定めてきているので、この秋のGⅡ京都大賞典(京都・芝2400m)の11着、GⅠジャパンC(東京・芝2400m)の12着もあまり気にする必要はないだろう。
以上、今年の有馬記念はエピファネイア産駒の2頭、ダノンデサイルとブローザホーンに期待する。