◆フィギュアスケート ▽世界選手権代表選考会 全日本選手権 第1日(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム) ショートプログラム(SP)が行われ、女子は、4連覇を狙う2022年北京五輪銅メダルで、世界選手権3連覇中の坂本花織(24)=シスメッ…
◆フィギュアスケート ▽世界選手権代表選考会 全日本選手権 第1日(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)
ショートプログラム(SP)が行われ、女子は、4連覇を狙う2022年北京五輪銅メダルで、世界選手権3連覇中の坂本花織(24)=シスメックス=が貫禄の演技で首位発進した。
史上9人目の大会4連覇へ、女王が堂々の演技を見せた。坂本は、冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)から3本のジャンプ全てを成功させ、78・92点で1位。連覇を狙い3位だった2週前のグランプリファイナル(フランス)から帰国後、胃腸炎を患ったが、急ピッチで調整。「大きなミスなくできたのは本当に一番今、ほっとした」と一息ついた。
この日、国際スケート連盟(ISU)が、ウクライナ侵攻の制裁措置で除外されていたロシアと同盟国のベラルーシ選手について、個人の中立選手(AIN)として2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の予選参加を認めると発表した。報道陣を通じて知らされた坂本は「え!? このタイミングで!?」と驚き、目を見開いた。
22年北京五輪で坂本は、ROC(ロシア五輪委員会)選手として参加したアンナ・シェルバコワ(金)、アレクサンドラ・トルソワ(銀)に続き、銅メダルを獲得。五輪後にはロシア勢が除外となる中、最大の強敵が不在となった世界選手権で3連覇した。
26年ミラノ五輪でAINのシングルの出場枠は男女1人ずつ。坂本は「以前は3人だった。『この間に入りたい』という気持ちがあったので。その気持ちがまた復活すると思うとめっちゃ、ワクワクする」と歓迎。「今はロシアだけじゃなく、アメリカとか他の国も強い。強い選手がいる中で戦えるのは、めっちゃ燃えます」とメラメラになった。
今大会は、来年3月の世界選手権(米ボストン)の代表選考会。優勝なら即内定だ。世界4連覇とミラノ五輪の日本の出場枠獲得の重責も担うエースは、まず22日のフリーで完璧な演技を目指す。「まだ伸びしろがある。見ている皆さんも、自分自身も楽しめるように、精いっぱい全力で滑りたい」。のびのびと坂本らしく、世界と戦う準備を進めていく。
(大谷 翔太)
◆ロシア女子勢の現状 前回のロシア選手権では、アデリア・ペトロシアン(17)が優勝。フリーのジャンプではフリップ1本、トウループ2本の4回転2種3本の構成だった。23年のロシア杯ファイナル(国際連盟非公認)で合計255・01点をマークした。ロシアには日本女子では跳ぶ選手がほとんどいない高得点の4回転ジャンプを操る選手がジュニアも含め多くいる。
◆坂本 花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市生まれ。24歳。3歳でNHK連続テレビ小説の「てるてる家族」を見て憧れ、4歳で競技開始。17~18年シーズンにシニア転向。18年の四大陸選手権優勝。初出場した同年の平昌五輪6位。同年の全日本選手権優勝。22年の北京五輪で銅メダル。世界選手権は22~24年に3連覇。23年GPファイナル優勝。159センチ。