◆レスリング◇全日本選手権 第2日(20日、東京・代々木第二体育館) 女子62キロ級は、今夏のパリ五輪68キロ級銅メダリストの尾崎野乃香(慶大)が頂点に立った。竹元紫凛(京都・丹後緑風高)との決勝は3分18秒でテクニカルスペリオリティー勝ち…
◆レスリング◇全日本選手権 第2日(20日、東京・代々木第二体育館)
女子62キロ級は、今夏のパリ五輪68キロ級銅メダリストの尾崎野乃香(慶大)が頂点に立った。竹元紫凛(京都・丹後緑風高)との決勝は3分18秒でテクニカルスペリオリティー勝ちを収めるなど、初戦から3試合を無失点勝ち。他階級も含めて4度目Vに「2024年を優勝で締めくくれたのは、すごくうれしい」と笑顔を見せた。
五輪後は約2か月、マットから離れ、心身のリフレッシュにあてた。その間に自身の階級について熟考。体重が68キロ級で戦っていた時に比べ「どんどん落ちていっている」という状況を踏まえ、「62キロ級で挑戦するのが今はふさわしいんじゃないか」と出場階級を決めたと説明した。
パリ五輪代表で今大会に出場したのは、尾崎のみ。自身も「すごく悩んだ。出場するからには負けたくないし、プレッシャーもあって、苦しいなと思う時もあった」と明かす。10月に練習を再開後、エントリーや組み合わせ発表など節目のたびに「自分に揺らぎがないか」と問いかけ、最終的に決断。28年ロサンゼルス五輪へいち早くスタートを切り「出て良かった。(パリ)五輪が過去のことになった気がして、次に向かって出発してるなという思いになれた」と充実感に浸った。
パリ五輪は本来の62キロ級で逃し、68キロ級で巡ってきたチャンスに懸けた。五輪代表決定プレーを制して切符をつかみ、懸命の増量と肉体改造で本番を戦った。ロス五輪に向けて注目されるのは階級の選択。今大会は62キロ級に戻したが「今後のことは分からない」と明言を避けた。
尾崎はその意図について「パリ五輪は本当に62キロ級で出たかった。でも、68キロ級で出場できて、自分は結構、体重幅があっても乗り越えられてきたし、こんなこともあるんだって分かった。(五輪まで)4年ある中で、決めつけることもできない」と説明。自身の経験を踏まえ、可能性の幅を狭めず、4年後へと歩んでいく。