今週は中山競馬場で有馬記念(芝2500m)が行われる。暮れのグランプリに豪華な16頭が集結。歓喜の瞬間を迎えるのはどの馬だろうか。ここでは、過去10年データからアーバンシックとスタニングローズにフォーカスしたデータを取り上げる。◆【有馬記念…
今週は中山競馬場で有馬記念(芝2500m)が行われる。暮れのグランプリに豪華な16頭が集結。歓喜の瞬間を迎えるのはどの馬だろうか。
ここでは、過去10年データからアーバンシックとスタニングローズにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■アーバンシックに「3.0.2.1」の鉄板級データ
春競馬はGIの壁に跳ね返されてきたものの、秋競馬は連勝でGI奪取。その勢いをもって暮れの大一番に臨むのがアーバンシックだ。3歳馬の斤量恩恵を活かし、いざ古馬との戦いへ。近年最強と目される5歳世代に立ち向かうにあたり、データが下した結論は?
・前走GI勝ちの3歳馬【3.0.2.1】
6頭中5頭が馬券内と抜群の信頼度。唯一の馬券外はタイトルホルダーだが、当時は阪神3000mの菊花賞から臨んだローテーションでレアケースと言えるし、サトノダイヤモンドにキタサンブラック、ワールドプレミアと京都芝3000mの菊花賞馬は大崩れなく走っている。
アーバンシックについて補足すると、もともと右回りより左回りのほうが良いのでは……との評価を受けていた。それが秋競馬になり機動力が身についたことでセントライト記念→菊花賞と右回りで道中位置取りを上げつつ連勝したのは心強い。直近のGIでは期待に応えられていないC.ルメールだが、過去10年の本レースは【2.3.2.2】。得意の一戦でドウデュース超えを誓う。
■スタニングローズに【0.0.1.13】の不安要素
アーバンシックと同じ外国人騎手騎乗×社台ノーザン系クラブ馬でも、スタニングローズにはデータ面のマイナスあり。前走エリザベス女王杯は早め先頭の積極策で3歳秋以来となるGIタイトルを獲得。前にいける脚質は大きなアドバンテージとなるが、以下のデータが重くのしかかる。
・前走1着かつ今回乗り替わり【0.0.1.13】
10頭以上が該当したにもかかわらず、連対馬ゼロの“0%データ”に合致。エピファネイアやヴェラアズール、ラッキーライラックといった前走GI勝ち馬も例に漏れず敗戦を喫している点は気がかりだ。
今回が引退レースとなるスタニングローズ。生涯トップクラスのデキとの声も聞かれているようだが、芝2400m超を走るのは3歳春のオークス以来かつ、春にマイルを使われた点も引っかかる。距離ロスを強いられる7枠13番から挑む暮れのグランプリ。連対圏突入は至難の業と言えそうだ。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。