株式会社平和(本社・東京都台東区)は19日、都内でアコーディア・ゴルフの子会社化に関する説明会を行った。平和の子会社である「パシフィックゴルフマネージメント」(PGM)は国内2位となる148カ所のゴルフ場の保有しており、173カ所を保有・…

左からPGMの田中耕太郎社長、平和の嶺井勝也社長、アコーディア社長就任予定の三好康之氏

株式会社平和(本社・東京都台東区)は19日、都内でアコーディア・ゴルフの子会社化に関する説明会を行った。平和の子会社である「パシフィックゴルフマネージメント」(PGM)は国内2位となる148カ所のゴルフ場の保有しており、173カ所を保有・運営する国内最大手アコーディアをグループに迎えることで世界最大321カ所のゴルフ場保有会社となる見込み。

平和の嶺井勝也・代表取締役社長は半年近く前から金融機関を挟んで協議がスタートしていたことを明かした上で、「スケールメリットを生かし、管理費や仕入れコストの削減、システムの統合、顧客サービス向上のための予約サイトや各ポイントプログラムの共通化等のシナジー効果を発揮することで収益性の向上に努める。遊技機事業とゴルフ事業を両輪とした『総合レジャー企業』への成長をより一層推進してまいります」と話した。

今後の体制について、会見では従来からの日本のゴルフの良さを貫くPGM、ハイグレードのGRAND PGM、初心者や女性向けのサービスが充実してカジュアルで通いやすいアコーディアと各ブランドを大まかにカテゴライズ。ひとつのグループとなることで全てのゴルファーのニーズに応えるブランドポートフォリオの拡充が実現できるとした。

PGMの田中耕太郎・代表取締役社長は固定費の削減、ブランド間の人事交流、顧客の共有化といったメリットを挙げ、自社競合が生じる以上の「プラスしかないと思っております」と強調。ゴルフ場の買収においてもPGMとアコーディアの競合によって価格がせり上がることもなくなると説明した。

アコーディアの代表取締役社長に就任予定の三好康之氏は、各ブランドの良さを柔軟に発揮することで顧客満足度を上げられるとコメント。アコーディアの中でも単価が高い千葉・成田ゴルフ倶楽部を例に挙げ、「ほぼGRAND PGMと同じような運営をされている。逆にPGMのコースでカジュアル化した方がいいんじゃないかというコースもある。ブランド間の移動は一定程度、起こると思っていますし、それぞれの間を会員の方々も移動していただけるんじゃないかと思っております」と具体策に触れた。現在はPGMとアコーディアで分かれているスマートフォンアプリの統合など「常識的なことは考えてやっていく」とも話した。

平和はアコーディアの全株式を保有するケイマン諸島の投資会社「PJC Investment Holdings」を有利子負債を含めて5100億円で買収し、その全額を金融機関からの借り入れで調達予定。嶺井社長は「普通にパッと見たら、『時価総額2000億に対して6000億を借りるのか』と思うかもしれません。収益を上げながら、おおざっぱに言って毎年200億とか300億近くの返済は十分可能。7、8年繰り返していくと、2000億程度は返済可能で、その後は安全圏に入ってくる。最初の10年近くは収益からその程度の金額を拠出しながら返済に回すべきだろうと思っています」と見通しを語った。(編集部・亀山泰宏)