男子プロテニス協会のATP公式サイトは18日、選手の基本的な収入保証を決める「ベースライン」制度で、2024年に26人の選手に対して合計130万ドル(約2億円)を分配。テニス史上初めてトップ250位の選手の最低収入を保証したと発表した。>…

男子プロテニス協会のATP公式サイトは18日、選手の基本的な収入保証を決める「ベースライン」制度で、2024年に26人の選手に対して合計130万ドル(約2億円)を分配。テニス史上初めてトップ250位の選手の最低収入を保証したと発表した。
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2024年シーズンから施行されたこの制度は、3本の柱で構成される。1つ目の柱は「基本収入保証」で、毎シーズンシングルスランキング250位までの選手の収入を保証するもの。選手の賞金収入が保証された基準額を下回った場合、コート上のパフォーマンスに関係なくATPがその不足分を補填する。
今回ATPは2025年に最低保証額の引き上げを発表。シングルスで101~175位の選手は20万ドル(15万ドルから増額)、176~250位の選手は10万ドル(7万5,000ドルから増額)に引き上げる。なおトップ100位の基準額は30万ドルのまま。新しい基準は、2024年をトップ 250位内で終えた選手が、少なくとも15の大会に出場した場合に、2025年に最低10万ドルを獲得することを意味する。
2つ目の柱は「収入保障」。これは負傷した場合に焦点を当てるもので、けがでATPツアーやチャレンジャーツアーを離れシーズンでの消化試合が9試合未満となった選手に対し、サポートを提供。こちらも世界ランクによってカテゴリー分けされており、2024年シーズンはトップ100位が20万ドル、101位から175位が10万ドル、176位から250位が5万ドルとなっている。この費用は選手が試合できず困難な時期に安心して回復に専念できることを目的としている。
そして3つ目の柱は「新人選手育成」。年齢関係なく初めて世界ランク125位を切った選手に対し、一律20万ドルの資金を提供するもの。これにより選手は新たなコーチ帯同やツアー大会への参加がより易しくなる。
ATPの会長を務めるアンドレア・ガウデンツィ氏は今回の制度についてコメントを発表している。
「『ベースライン』制度はテニス選手の経済状況を大きく変えるものだ。私たちは選手が怪我を乗り越えたり、パフォーマンスが低下したり、初めてツアーに参加したりする場合でも、課題を克服し、持続可能なキャリアを築くために必要な経済的サポートを選手に提供している。1年目に130万ドルが選手に分配されたことからその影響はすでに明らかだ。そして制度の拡充は2025年に予定されており、これは単なる始まりにすぎない」
また選手たちからもこの制度について前向きな声が上がっている。
B・ミラリェス(スペイン):「プロテニス・プレーヤーは結果にこだわる。自分のパフォーマンスに頼って成功することは、特に怪我などの挫折を経験した時には難しいこと。『ベースライン』があれば、経済的な不安というプレッシャーを感じることなく、上達するために必要な安心感を得ることができる。ATPが選手に提供するサポートを改善するための画期的な取り組みであり、このプログラムが拡大していくことに興奮してる」
H・メジェドビッチ(セルビア):「ATPツアーで戦い抜くことは信じられない偉業だ。このレベルに到達するためには信じられないほどの努力が必要だが、その道のりは必ずしも平坦であるとは限らない。『ベースライン』は適切なリソースに投資し、事前に計画を立てることで、潜在能力を発揮するために必要なサポートをさらに強化するものだ」

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