「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、東和薬品ラクタブドーム) 20日の開幕を前に男子の公式練習が行われ、11年ぶりに出場する2010年バンクーバー五輪代表の織田信成(37)=大阪スケート倶楽部=が順調に調整。練習後の取材ではまさ…

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、東和薬品ラクタブドーム)

 20日の開幕を前に男子の公式練習が行われ、11年ぶりに出場する2010年バンクーバー五輪代表の織田信成(37)=大阪スケート倶楽部=が順調に調整。練習後の取材ではまさかの号泣となる場面もあった。

 織田は2022年秋、9年ぶりに電撃競技復帰。1度目の現役引退となった13年大会以来、11年ぶりとなる全日本選手権出場に目標を定めて今季に臨んでいた。9月には今季限りで現役を退く意向を表明していた。

 練習ではショートプログラム(SP)の「マツケンサンバ」の曲かけで4回転-3回転の連続トーループを着氷するなど上々の様子。「国民的盛り上げソング」と笑いつつ、「正直すごく不思議な感じ。11年ぶりで、地元開催。慣れ親しんだリンクで練習は落ち着いてできている」と手応えを示した。

 取材中に子供の話になると、涙腺が崩壊。「上の2人は僕がスケートをしているのをほとんど見たことがないと思う。今日自宅から出る時に初めて『試合頑張ってな』と言われた」とまさかの号泣。「ちょっと待ってなんで泣いてるの~。ちょっとまってここで泣くつもりじゃなかった。ちょっと嫌や~試合始まる前に泣いちゃった」と自身に驚きつつも、「家族も応援してくれるからせいいっぱい頑張りたい」と大きな力を得て大会に臨む。

 2008年には優勝経験もある大ベテランは「全日本は今回が最後。膝と腰が持たない」と笑った。「37歳までこんなに粘ってジャンプを跳んでいる人がおるんやと(見てほしい)。笑顔で終わりたい」と意気込んだ。