今季J1の最優秀選手(MVP)に輝いた神戸の元日本代表FW武藤嘉紀(32)が、神戸、名古屋の争奪戦となっていることが18日、分かった。神戸との契約が今季限りで切れる武藤に対し、この日までに名古屋が推定3億円前後の巨額オファーを提示。神戸も…
今季J1の最優秀選手(MVP)に輝いた神戸の元日本代表FW武藤嘉紀(32)が、神戸、名古屋の争奪戦となっていることが18日、分かった。神戸との契約が今季限りで切れる武藤に対し、この日までに名古屋が推定3億円前後の巨額オファーを提示。神戸も当初の提示額から増額して慰留をはかるなど獲得競争は激化し、武藤の年俸は今季のJリーグ日本人最高の年俸3億5000万円前後まで高騰する可能性が高まった。
名古屋が急接近した背景には、絶対的な得点源を求めるチーム事情と資金力が挙げられる。今季ルヴァン杯を制したが、J1では11位と低迷。リーグワースト6位の44得点と得点力が課題で、今オフには、パリ五輪代表の柏FW細谷真大(23)の獲得に乗り出していた。だが、細谷の残留が決まり、宙に浮く形となった3億円以上の資金を、武藤獲得に注ぎ込む方針に切り替えたという。
神戸もJ1連覇の立役者となった武藤に、最大限の誠意を見せているという。21年夏に加入した武藤の年俸は2億円前後から、上積みして名古屋の提示に匹敵する条件を提示済み。現在の日本人最高年俸とみられる、神戸FW大迫勇也(34)の3億円強を超える可能性も十分だ。シーズン終了後には「ここで1回落ち着いて、ゆっくり考えたい」と語っていた武藤。注目の決断が、近づいている。(金額は推定)
◆武藤 嘉紀(むとう・よしのり)1992年7月15日、東京・世田谷区生まれ。32歳。FC東京の下部組織を経て慶大に進学。3年時の2013年12月にサッカー部を退部しFC東京入り。14年にJ1新人最多タイの13得点でベストイレブン受賞。15年にマインツ(ドイツ)、18年にニューカッスル(イングランド)へ移籍。20年のエイバル(スペイン)を経て、21年8月に神戸加入。今季MVP獲得。J1通算162試合57得点。日本代表の国際Aマッチ29試合3得点。179センチ、72キロ。