大相撲の十両阿武咲(28=阿武松)が、引退することが決まった。18日、日本相撲協会が発表した。慢性化していた右足首痛や右膝痛などの影響で、東十両10枚目だった今月の九州場所は、3場所連続の途中休場。2勝11敗2休で、16年名古屋場所から8年…

大相撲の十両阿武咲(28=阿武松)が、引退することが決まった。18日、日本相撲協会が発表した。

慢性化していた右足首痛や右膝痛などの影響で、東十両10枚目だった今月の九州場所は、3場所連続の途中休場。2勝11敗2休で、16年名古屋場所から8年以上守っていた関取から、幕下に転落することが確実となっていた。関係者によると、今後は相撲協会には残らないという。19日に会見を予定している。

最高位は小結で、17年夏場所の新入幕から3場所連続で2桁白星を挙げた。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、初の快挙。この記録は現在も、大関大の里と並んで2人しかおらず、大の里は同4場所目が9勝止まりだったため、新入幕からの連続2桁白星の最長記録となっている。身長176センチと上背こそないが、圧力のある立ち合いからの突き、押しを武器に、9月の秋場所で十両に転落するまで、6年以上幕内在位を続けていた。

九州場所中には「精いっぱいやっている結果なので、受け止めるしかない。押せないですね。相撲は難しい」などと、本来のきっぷの良い相撲を取ることができず、苦しい胸の内を明かしていた。小中学校時代からのライバル、元大関貴景勝(現湊川親方)が秋場所中に引退。後を追うようにして、同世代を引っ張ってきた阿武咲も、土俵に別れを告げることになった。

◆阿武咲奎也(おうのしょう・ふみや)本名・打越(うてつ)奎也。1996年(平8)7月4日生まれ、青森県中泊町出身。中里中2、3年時に全国都道府県中学生選手権の個人戦で史上初の連覇。三本木農高1年時に国体少年個人で優勝。1年時に同高を中退して角界入りし、13年初場所で初土俵。15年初場所で新十両。17年夏場所で新入幕し、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、初の新入幕から3場所連続2桁白星を達成。最高位は小結。得意は突き、押し。三賞は殊勲賞1回、敢闘賞3回。金星2個。通算成績は473勝422敗59休。176センチ、165キロ。