現役ドラフトで日本ハムから広島へ移籍した鈴木健矢投手(27)が17日、千葉県鎌ケ谷市内の日本ハム球団施設で練習。移籍の一報から現在に至るまでの心境と、今後に向けての抱負を語った。 「みんなに『出てけ、出てけ』って言われるんですよ。『おい外…

 現役ドラフトで日本ハムから広島へ移籍した鈴木健矢投手(27)が17日、千葉県鎌ケ谷市内の日本ハム球団施設で練習。移籍の一報から現在に至るまでの心境と、今後に向けての抱負を語った。

 「みんなに『出てけ、出てけ』って言われるんですよ。『おい外様』とか、『部外者立ち入り禁止だぞ』とか」と苦笑いする。古巣となった鎌ケ谷での練習。かつてのチームメートからの愛のあるイジりを受けた。「口では言っていますけど、多分彼らも寂しいんですよ」と柔らかい表情を見せた。

 まさに寝耳に水の第一報だった。9日、現役ドラフト当日。「びっくりしました。対象選手に連絡がいってるんだろうなって結構ノーマークだったんですけど、電話が来て、“マジか”と」。すぐに数人に連絡したが、その内容は「ぼくも頭真っ白だったので、覚えていないんです」と振り返った。

 現役ドラフトでは史上初で唯一の「2巡目」での移籍となった。「ただ1人なので。2巡目が。逆に求められているのかなって感じで。1巡目はマストじゃないですか。2巡目で選んでくれるってそういうことだと思う」と前向きに捉えた。

 中学時代の修学旅行と、交流戦などの試合でしか縁のなかった広島。「知らないところに飛び込む感じ」と明かす。それでも秋山から、合同自主トレを行う五十幡を通じてLINEで「よろしくね」と連絡があったという。「めちゃくちゃ優しい」と感謝。そして「堂林さんとか、野間さんとかも、梅林が繋がっているので。それで『よろしく』とか言ってくれる。あったかいチームだなっていう感じです」。ドラフト同期で広島出身の梅林を橋渡し役に、多くの温かい連絡を受けた。

 22年に就任した新庄監督の提案で、サイドスローからアンダースローへの転向した。23年は自己最多の6勝をマークした。「カープにいないタイプなので。そこに対しての需要があると思う」とアンダースローを貫く思い。「菊池さんを始め矢野君、外野手は秋山さんもいますし、守備が固くて。僕は打たせて取るタイプなのですごく頼もしい」と新天地での投球を思い描く。

 ささいな不安材料がひとつ。広島弁の末尾につく「じゃけ」がちょっとだけ苦手。「梅林が、“何とかじゃけ”って言うと、おい“じゃけ”やめろとか言っていたんですけど、『おまえそんなこと言っていたら広島でいじめられるぞ』って」と言う。自ら“じゃけ”を使う、という案には「ないです。エセ過ぎません?エセ広島人」。そう話して、笑顔を見せた。