◆吉田杯ジャンプ大会 (15日、名寄・ピヤシリシャンンツェ=ヒルサイズ100メートル、K点90メートル) 女子は、前日のピヤシリ大会を制した岩佐明香(はるか、28)=大林組=が233・5点でV2。1回目は92メートルで2位だったが、2回目に…
◆吉田杯ジャンプ大会 (15日、名寄・ピヤシリシャンンツェ=ヒルサイズ100メートル、K点90メートル)
女子は、前日のピヤシリ大会を制した岩佐明香(はるか、28)=大林組=が233・5点でV2。1回目は92メートルで2位だったが、2回目に95・5メートルを飛んで逆転し、2年連続の名寄2連勝を決めた。男子も佐藤幸椰(29)=雪印メグミルク=が257・5点で2連勝。坂野旭飛(19)=同=が2位、池田龍生(24)=同=と山元豪(29)=ダイチ=が同点で3位となった。
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1回目を終えて2位。トップの宮嶋とは7・5点差をつけられた。降雪は激しさを増すばかり。競技打ち切りの不安もあった。険しい状況下で逆転勝ちをつかみとった岩佐は「巻き返せて良かった」と胸をなで下ろし、笑顔を振りまいた。
1回目は「失敗」。助走路に降り積もる雪の影響でバランスを保てず、持ち味の力強い飛び出しができなかった。元複合選手の父・諭志さんから「助走で重心さえ定まれば(体が)ぶれることはない」と励まされ、気持ちを立て直して2回目へ。足の裏まで意識した「自分のポジション」を再確認すると、今度は踏み切りでパワーを伝え切り逆転の飛距離をたたき出した。
今季は3シーズンぶりにW杯開幕メンバーに入ったが、ノルウェー・リレハンメル大会(11月23、24日)で結果を出せず遠征メンバーから外れた。しかし「慣れた環境」の国内調整を前向きに捉えてジャンプを磨き、その結果の2連勝。目標としていたW杯札幌大会(来年1月18、19日)の代表入りは確実となった。欧州でのサマーGPも全戦出場するなど世界での戦いは「もう夢の舞台ではなく、自分の場所になってきた感じ」という28歳が、自信を回復して“主戦場”へ再挑戦する。(石井 睦)
〇…W杯の“レギュラー”復帰を目指している佐藤幸が1人だけ別次元の飛行曲線を描いて2連勝。だが「100メートルは飛んでおきたかった」と不満も残した。1回目、助走路に降り積もる雪に対し「(スキーが)詰まることを警戒して余計な動きをしてしまった」ことが反省点だ。それでもチームで3人が表彰台に立ち、「自分が走っていかないと下がついてこないと感じていた。結果がついてきたのはすごくうれしい」と主将としては満足感を見せた。
▽男子 〈1〉佐藤幸椰(雪印メグミルク)257・5点(96・5メートル、97・5メートル=最長不倒距離)〈2〉坂野旭飛(雪印メグミルク)248・5点(95・5メートル、94・5メートル)〈3〉池田龍生(雪印メグミルク)238・5点(91・5メートル、96メートル)〈3〉山元豪(ダイチ)238・5点(92メートル、95メートル)
▽女子 〈1〉岩佐明香(大林組)233・5点(92メートル、95・5メートル)〈2〉宮嶋林湖(松本大)230点(96メートル=最長不倒距離、90メートル)〈3〉佐藤柚月(札幌日大高)228・5点(90・5メートル、94・5メートル)