◇プロバスケットボールりそなB2リーグ ▽第12節 福岡84-81富山(15日、富山市総合体育館) 東地区の富山グラウジーズは、81-84で西地区首位のライジングゼファー福岡に惜敗し、同一カード2連敗を喫した。第4クオーター(Q)序盤には最…
◇プロバスケットボールりそなB2リーグ ▽第12節 福岡84-81富山(15日、富山市総合体育館)
東地区の富山グラウジーズは、81-84で西地区首位のライジングゼファー福岡に惜敗し、同一カード2連敗を喫した。第4クオーター(Q)序盤には最大10点のビハインドを背負ったが、集中力と粘り強い守備を発揮し、残り26秒には81-81に追いついた。勝機はあったが、残り9秒でインサイドを突破されて2点のリードを許し、あと一歩及ばなかった。試合後、4019人が訪れた会場では、ねぎらいの拍手が送られたが、PG宇都直輝(33)は「昨日、今日と負けてしまい、現状では福岡の方が強いというのは認めざるを得ません。そういう中でも、次の対戦まで、プレーオフまでに、どんなチームになりたいのかを突き詰め、チームとして戦えるようにしたい」と前を向いた。
指揮官不在の状況で戦い抜いた。ダビー・ゴメスHCは14日の試合で2度のテクニカルファウルを宣告されて退場。1試合の出場停止の懲罰が課せられ、この日は越谷や青森でHC経験のある高原純平ACが指揮を執った。ゴメスHCの気迫あふれるパフォーマンスで鼓舞する姿はなかったが、選手たちは最後まで厳しい守備と集中力を発揮。PG宇都は「彼のバスケはチームに浸透してきているので、良い意味で不在の影響はなかったのかなと思います。僕はダビーがいないことよりも、昨日の自分のプレーに対し、ふがいない気持ちが強かった。映像をしっかり見直し、自分のプレーができるように心がけていました」と振り返り、この日は15得点、5アシストと奮闘してチームを引っ張った。
8連勝のあとにホームで2連敗となってしまったが、収穫もある。攻撃では得意のインサイドで苦戦したが、ミドルシュートを多めにして対応。日本人選手もリングにアタックすることを意識し、PG宇都やSG/SF高橋耕陽(30)は、気迫のドライブも披露して得点を重ねた。指揮を執った高原ACは「最初はペイント内の失点を抑えたが、3点シュートを入れられ、(内外の)両方を守ろうとして守備が崩れてきた。目指していたゲームとは違ったが、昨日よりも良いゲームができた。ゾーンとマンツーマンのスイッチングディフェンスも効果的だった」と手応えをつかむ。富山の元指揮官でもある、福岡の浜口炎HCは、富山の外国籍選手のことを聞かれると、「ユージーン(フェルプス)選手はオフェンスリバウンドが非常に強く、今日はミドルを何本も決められた。あの距離を決められると、さらに怖い選手になる。(アーロン)ホワイト選手は動けるし、3点シュートを警戒していた。トーマス・ケネディ選手と2人で3点シュートが伸びると脅威になる」と振り返った。
福岡には、元富山の浜口HCや福島雅人ACのほか、Cジョシュア・スミス(32)ら選手4人が富山でプレーした経験を持つ。「元チームメートに負けるのは悔しい。でも、自分たちが目指しているのはB1に昇格すること。その過程として、今日、昨日の試合を見直し、プレーオフに勝ち抜けたらいいと思います」とPG宇都。悔しい敗戦も糧にして、昇格に向けてチーム力アップを目指す。(中田 康博)