2歳牡馬のマイル王を決する一戦でもある、GI朝日杯フューチュリティS(京都・芝1600m)が12月15日に行なわれる。 中山競馬場から阪神競馬場に舞台を移して11年目となるが、今年は阪神競馬場の改修工事のため、京都競馬場での開催となる。そ…
2歳牡馬のマイル王を決する一戦でもある、GI朝日杯フューチュリティS(京都・芝1600m)が12月15日に行なわれる。
中山競馬場から阪神競馬場に舞台を移して11年目となるが、今年は阪神競馬場の改修工事のため、京都競馬場での開催となる。それによって今年、何かしらの影響があるかもしれないが、過去10年の結果を振り返ってみると、比較的堅いレースと言える。
実際、1番人気は5勝、2着2回、3着2回と、馬券圏内(3着以内)を外したのはわずか1回。2番人気も2勝、2着3回、3着1回と、まずまずの成績を残している。
しかしながら、波乱がないわけではない。ふた桁人気の馬が馬券圏内に突っ込んでくることがしばしばあって、3連単では何度か好配当が生まれている。たとえば、2014年には14番人気のアルマワイオリが2着に、2016年には12番人気のボンセルヴィーソが3着に入って、2014年が13万円超え、2016年が22万円超えといった高額配当まで飛び出している。
ならば、高額配当狙いに徹してみるのも悪くない。第一、まだまだ成長過程にある2歳戦となれば、何が起こるかわからない。現に先週の2歳女王決定戦、GI阪神ジュベナイルフィリーズでは人気馬が沈んで波乱の決着となった。
そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで大駆けを果たしそうな穴馬をあぶり出してみたい。先にも触れたとおり、今年は京都競馬場での開催となるが、開催時期、距離は変わらないため、阪神での過去データをそのまま参照する。
まず、このレースで注目したいのは、関西馬が圧倒的に強いこと。無論、その要因には関西馬のほうが出走頭数が多いうえ、同じく2歳GIのホープフルS(中山・芝2000m)が関東で施行されていることもあるだろうが、阪神JFでは2014年~2023年までの10年間で半数となる15頭の関東馬が馬券圏内に入っているのに比べて、朝日杯FSで馬券圏内に入った関東馬はわずか7頭。直近5年に絞れば、馬券圏内に入った15頭中、関東馬はたった2頭と余りにも少ないのだ。
こうした状況を踏まえると、関東馬は"消し"でいいだろう。残ったのは13頭。ここから、穴馬候補をピックアップしていきたい。
関西馬ということで気になったのは、池添学厩舎だ。
朝日杯FSで好成績を残している厩舎と言えば、引退した調教師を除くと、須貝尚介厩舎、友道康夫厩舎、中内田充正厩舎。いずれも、過去に3頭の馬が馬券圏内に入っている。
翻(ひるがえ)って、池添厩舎は馬券圏内に入った馬は先にも触れたボンセルヴィーノ(2016年、12番人気3着)とグランレイ(2019年、14番人気3着)の2頭だが、ともにふた桁人気の馬だった。つまり、好配当ゲットを目論むならば、狙いは同厩舎の馬だ。
朝日杯FSでの一発が期待されるトータルクラリティ
photo by Sankei Visual
そして今回、池添厩舎が送り出すのは、トータルクラリティ(牡2歳)。前走でGIII新潟2歳S(8月25日/新潟・芝1600m)を勝ってデビュー2連勝中。その分、過去に好走した馬たちよりも人気になるだろうが、1、2を争うほどの人気とはならない。3~5番人気と想定され、戦績のわりにはかなりオイシイ配当が見込める。
直近5年の結果を改めて見てみると、際立っているのは2戦2勝馬。馬券に絡んだ15頭中、同成績だった馬が7頭もいる。その点からしても、トータルクラリティへより食指が動く。
直近の結果という意味で言うと、面白そうなのは新馬を勝ち上がってきたばかりの馬だ。なにしろ、過去2年連続で3着に入っているからだ。
そして今年も、新馬を勝ち上がったばかりの1戦1勝馬が参戦する。ランスオブカオス(牡2歳)である。
同馬は12月1日の新馬戦(京都・芝1400m)を勝利。それも、メンバー最速の上がりを繰り出しての完勝だった。
過去2年で馬券に絡んだレイベリング(2022年)、タガノエルピーダ(2023年)も、新馬戦ではメンバー最速の上がりをマークして快勝している。そんな酷似点も加味すれば、3年連続で1戦1勝馬が馬券に絡んでも不思議ではない。
注目の2歳GI。はたして、今年は"荒れる"のか。もしそうなれば、ここに名前が挙がった2頭が上位に食い込んでもくるかもしれない。