今井達也は最多奪三振のタイトル獲得 西武は今季、49勝91敗3分の勝率.350で最下位に沈んだ。5月26日に松井稼頭央監督が休養し、渡辺久信監督代行が指揮を執るも貧打は改善されず、チームは下降線をたどった。それでも、ルーキーの武内夏暉投手ら…

今井達也は最多奪三振のタイトル獲得

 西武は今季、49勝91敗3分の勝率.350で最下位に沈んだ。5月26日に松井稼頭央監督が休養し、渡辺久信監督代行が指揮を執るも貧打は改善されず、チームは下降線をたどった。それでも、ルーキーの武内夏暉投手ら1軍デビューを果たした若獅子も多く、一筋の光も差した。

 3月29日の楽天戦で開幕投手を務めたのは今井達也投手だった。7回116球を投げ、2安打11奪三振無失点で勝利に導いた。4月は4登板で月間防御率0.96を記録した。20度のQS、ならびにQS率80%はリーグ3位だった。1年を通してローテーションを守り、10勝8敗、防御率2.34。リーグ最多の187奪三振で、自身初タイトルを獲得した。

 ドラフト1位ルーキー・武内は4月3日のオリックス戦で初登板。7回無失点の好投で白星を手にした。5月は4戦3勝、防御率0.63で月間MVPに輝いた。夏場には調子を落とすも、9月に復調。9月16日のロッテ戦では7回まで完全投球で初の完封勝利を挙げる。9月30日の日本ハム戦では8回無失点で、2桁勝利&規定投球回到達を決めた。10勝6敗、防御率2.17でシーズンを完遂。新人王に輝いた。

 2021年ドラ1左腕の隅田知一郎投手は規定投球回に到達。9勝を挙げた。6月12日の広島戦では“マダックス”(100球未満での完封)を達成。8月14日のソフトバンク戦では6回1失点でチームの連敗を「8」で止めた。11月には野球日本代表「侍ジャパン」にも選出され救援として活躍。武内とともにドラ1左腕コンビが、西武の先発陣をけん引した。

 2022年ドラフト4位右腕の青山美夏人投手はルーキーイヤーの昨季、主にリリーフとして39試合に登板。今季は先発として6試合に登板した。24歳位右腕は7月17日のオリックス戦で3安打無失点の快投。プロ初勝利を完封で手にした。

羽田、菅井の高卒3年目コンビが初勝利、救援では佐藤が防御率1.69

 高卒3年目の羽田慎之介投手は5月14日の日本ハム戦でプロ初登板。1回1失点のほろ苦デビューとなったが、6月26日の日本ハム戦では1回無失点で初ホールドを記録した。身長191センチの20歳左腕は9月14日のロッテ戦に先発し、敗戦投手も5回1失点。9月26日のソフトバンク戦では、1イニングを無失点に抑え、プロ初勝利を手にした。

 同じく高卒3年目で21歳の菅井信也投手も1軍デビュー。6月2日に支配下登録を結び、同6日のヤクルト戦で5回2失点。7月15日のオリックス戦では、7回無失点でプロ初勝利をマークした。大卒1年目・上田大河投手も頭角を現した。6月5日のヤクルト戦でプロ初登板。9月28日のロッテ戦で、プロ初先発。17試合に登板し、防御率2.70をマークした。

 救援陣では3年目左腕・佐藤隼輔投手が活躍。45登板で防御率1.69をマークしたまた、新外国人のアルバート・アブレイユ投手は28セーブをマーク。チームの勝利の7割近くを助っ人右腕が締めたことになる。終盤は平良海馬投手がブルペンに加わり厚みを増したものの、クローザーにつなぐまでの投手が固定できなかった。

 これまでエースとしてチームをけん引してきた高橋光成投手は、苦しいシーズンに。コンディション不良で開幕から出遅れると、0勝11敗、防御率3.87でシーズンを終えた。松本航投手は先発としてシーズンを迎えるも、救援に配置転換。34登板で防御率3.93に終わった。ソフトバンクから加入した甲斐野央投手は怪我の影響もあり19登板に。2022年に最優秀中継ぎに輝いた水上由伸投手も、29登板で防御率5.28だった。

 来季から指揮を執る西口文也監督は、渡辺久信氏以来の投手出身の監督となる。自身の経験を踏まえ、粒ぞろいの投手陣をどのように操るのか。ポテンシャルの高い選手たちが揃っているだけに、起用法に注目が集まる。(「パ・リーグ インサイト」谷島弘紀)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)