フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(30)が制作総指揮を執る、新ツアー公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd -Echoes of Life-…
フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(30)が制作総指揮を執る、新ツアー公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd -Echoes of Life-」の初日公演が7日、さいたまスーパーアリーナで開催された。この日は羽生さんの30度目の誕生日。1万4000人の観客が「ハッピーバースデー」を歌って祝福し、温かい雰囲気に包まれた。
公演後の一問一答は以下。
-文字が音になる発想はどのような思いから。
「元々自分は、光景が例えば色とかが音になってたりとか、感情になったりとか、簡単に言うと、例えば赤っていう色に対して、『情熱』って思う方もいらっしゃったら、それが『恐怖』と捉える方もいらっしゃる。そこは人それぞれの解釈なんだけれども、そういうことを、より僕は音として、割と小さい頃から聞こえてきたタイプだったんですね。別に絶対音感があるとかではなくて、何となくメロディー的な感覚で、聞こえてくるような感じがしてて。そういった中で自分の経験だったり、またフィクションとして書く中で、この子にどういう能力を持たせようかなと考えた時に、自分がトレーニングとしてやっている言葉の抑揚であったりとか、意味であったりを表現することをその物語の中に入れ込んで、全体を、哲学が音として体に入ってくる、その哲学が音楽になって、プログラムが出来上がるみたいなことを、いろいろ発想を飛ばして書いていった物語です」
-今日の物語の中には思わず書き留めたくなるあの言葉がたくさんあったと思う。一つを選んで思いを語っていただけますか。
「本当にいろんな哲学書を、生命に対してだったりとか、自分が大学で履修していた教授の本であったりとか、そういったものを読み直していろいろつづっていったんですけど、運命っていうのが、偶然の連なりっていうことを、哲学書を読みながら学んでいって、本当にすごくすごくもろくて、なんでこんな偶然がつながっていったんだろうっていうような運命が人それぞれきっとあるんだろうなと思って。それが、みなさんの中で、いろいろ振り返ったときだったり、また現在進行形で運命を感じているようなと時に、めったに出会えないようなこんな偶然の出来事に出会えたんだっていう喜びであったりとか、何か奇跡みたいなことをぜひ感じてもらいたいなとつづった文章の一つです」
-ICE STORYの衣装はどのように思っている、思い入れのある衣装は。
「やっぱりNOVAの衣装ですかね。今まで映像の中と実際に演技するっていう衣装のリンクをしたことがなかったので、正直本当に、割とファッションに使えるような服を氷上で着るということは結構難しかったは難しかったんですけど、やっぱりNOVAという主人公の衣装にはかなり思い入れが強いものがあります。今回、フィギュアをずっと専門にしてくださっている方も含めて、また新たに、フィギュア作ってこられなかった方も参加してくださって、本当いろいろ、何着も何着もアレンジを繰り返してつくりあげた衣装たちもたくさんあるので。いままでと、もちろんRE_PRAYだったり、GIFT、プロローグとはまた違った毛色のアイスストーリーになってますし、そういった衣装も含めて、フィギュアっぽくないというか、そういったEchoesじゃないと見られない衣装の布感であったりとか、そういったものもぜひ感じてもらいたいなと思ってます」
-今回映画のような映像を多用されていた。撮影に要した時間はどのぐらいか。もともとスクリーンの演技などに挑戦したかったのか。
「まずちょっと後ろの方の質問からなんですけど、1回僕映画に出演させていただいたことがあって、お芝居というものをさせていただいたんですけど、本当に向いてないなと思ったんですね、そのときに(笑)。だから映画に出たいとかそういう気持ちは全然なくて、ただNOVAという主人公に対して、演じるということに関しては何も違和感がなかったというか、やっぱり自分がつづった物語であって、自分が完全に入り込める主人公を描いているので、そこに関してはやっぱり自分が演じないといけないなっていう感覚ではいました。撮影に要した時間なんですけど、えーっと…3日間ぐらいかけてですかね。丸2日間ずっとやって、半日ぐらいやって、もう一回半日とって、みたいなことと、プラスのナレーション取りをしないといけないので、ナレーション録りもまた2日かけてるので、大変でした(笑)」
-音楽について、選曲のこだわりなど。
「RE_PRAYが結構ゲームよりに作っていたので、新プロつくりつつも、割とクラシカルなものを結構やりたいなっていう気持ちがあったのと、今回のテーマ的にも哲学ということを割とテーマにしていたので、ピアノの旋律であったり、気持ちがりんとするような曲たちを割と多めに選曲はしています。その中で、自分がストーリーを描く中で、ここは戦いたいところだなとか、ここは芯を持つべきところだなとか、ここは言葉をそのまま使いたいところだなとか、そういったことをいろいろ考えた中でいろいろ選曲をこだわっていった感じですかね。今回とにかく一番悩んだのは、5番目の曲のピアノのクラシックの連続からのバラ1っていうのが今までやったことがない、1回もはけないで30秒間ぐらいずつで、ずっとプログラムを演じ続けることをやっているんですけど、そこは清塚信也さんと一緒に、クラシックのことも勉強し、どういう意味を込めてひきながら、また僕も、ジェフリー・バトルさんに振り付けを頼んでいるんですけど、ジェフともいろいろこんなイメージで滑りたいと、本当に綿密に計算しながらつくった、十何分間のプログラムですね。ありがとうございます。ありがとうございました。本当にありがとうございますみなさん。本当にありがたいです。はー疲れた(笑)。わりとね、よろよろしてるんです(笑)」