日本体操協会は7日、理事会を開催し、パリ五輪直前に飲酒、喫煙問題が発覚し、代表を辞退した宮田笙子(20)=順大=について、第三者機関の調査結果を公表。宮田に対して倫理規定に基づいた処分は行わず、会長による厳重注意とした。また、田中光前本部…
日本体操協会は7日、理事会を開催し、パリ五輪直前に飲酒、喫煙問題が発覚し、代表を辞退した宮田笙子(20)=順大=について、第三者機関の調査結果を公表。宮田に対して倫理規定に基づいた処分は行わず、会長による厳重注意とした。また、田中光前本部長、田野辺コーチ、原田コーチ、現場責任者の山本ハイパフォーマンスディレクター、西村賢二専務理事も同様に厳重注意となった。藤田直志会長は「五輪代表を辞退して出場できなかったのは大きな代償、社会的制裁を受けている。この事実を協会として受け止めて議論した。今後新たな目標に向かっていく姿勢を通じて、再発防止にもつながる」と語った。
すでに会長自身が宮田に直接厳重注意を行ったとし「協会として大変残念だこと。宮田選手が目標に向かって前進していくことが協会としても学びとなる」と伝えたところ、宮田は「真摯に反省をして、しっかりと競技を続けていく」と話したという。
宮田は20歳未満ながら6月末から7月にかけて飲酒と喫煙を行ったことで、日本オリンピック委員会が定める「国際総合競技大会派遣規程」と日本体操協会の「日本代表選手・役員の行動規範」に違反したとされ、五輪代表を辞退した。協会はその後、第三者機関において事実関係の確認と再発防止策の課題抽出を行っていた。
宮田については違反に抵触する行為はあったが、自ら五輪代表を辞退し、すでに大きな代償を払い、十分反省していることもあり、倫理規程に基づく処分は行わないこととなったという。第三者機関の報告によると「本件選手が常習的または公然と喫煙・飲酒を行っていた事実は確認できず、コーチなどの近しい関係者にも知られないように注意していたとのことであった」と記された。
今後、協会としては行動規範を見直し、違反行為と罰則の明確化を検討するほか、インテグリティ教育、コンプライアンス教育の改善などを行っていくという。
宮田は騒動後初の実戦として9月の国民スポーツ大会に出場。福井県の優勝に貢献し、「この度は私がとった行動で多くの皆さまにご迷惑をかけてしまい深く反省しております。申し訳ありませんでした。この件に対し真摯に向き合い、今後の競技生活を全うして参ります」と話していた。