プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が最強挑戦者との「クリスマス決戦」をステップに海外再進出する姿勢を示した。24日、東京・有明アリーナでIBF&WBO世界同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)との…

プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が最強挑戦者との「クリスマス決戦」をステップに海外再進出する姿勢を示した。

24日、東京・有明アリーナでIBF&WBO世界同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)との防衛戦を控え、4日に横浜市の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、サンドバッグ打ちを各2ラウンドずつ披露し、練習前には井上の父真吾トレーナー(53)、所属ジムの大橋秀行会長(59)と会見した。

井上はグッドマン戦のテーマとして「今回の試合の位置付けは2025年、新たに海外進出することを自分の中で1つ考えている。海外での試合が多くなっていくので、今回は大事な1戦になる」と自己解説した。既に米プロモート大手トップランク社から25年の米国での防衛戦オファーを受けている。

11月上旬、総額30億円(推定)というサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を結んだが、その交渉を契機に同国からも防衛戦開催のオファーも届いている。大橋会長は「グッドマン戦で圧倒すれば、次また来年に米国、サウジアラビアなど海外進出につながる第一歩になる」と認めた。

17年以来、7年ぶりの年間3試合となる。31歳となって防衛回数を増やしている井上は「7年前とは調整への意識、ボクシングへの向き合い方が変わってきている。この年間3試合はプラスに働いている。1つ1つ体やトレーニングに対し、しっかりと向き合うことができている。自分にとってはコンディション、体調、モチベーション含め、切らさずにできた良い年」と充実の表情を浮かべた。

24年はすべて国内開催だったが、来年以降は海外での防衛戦も増加する可能性があるため、井上は「その意識はあるので、今回の試合はしっかり会場で目に焼き付けてほしいです。ボクシングに詳しくないお客さんにはKOシーンをしっかりと届けたい。ボクシングファンには細かい技術戦をみせたい。みなさんの期待を超える試合を自分は目指している。そこに期待してもらえたら」とグッドマン攻略に向け、自信の表情を浮かべた。

既に総スパーリング数は、10ラウンドを含めて計90ラウンドを消化。試合までには計100ラウンドを超えそうだ。年間3試合でも練習量に妥協はない。井上は「スタミナ面もかなりの自信を持っている。技術面、スタミナ面にしろ自信を持ってボクシングできる。あとはケガと体重と細かいところを中心にこなしていきたい」と静かに燃えていた。